長崎・橘湾の赤潮被害から復活誓う 昌陽水産、雄昇水産 イベント出店や注文配達など挑戦

海鮮丼を販売する昌賢鮮魚の従業員(右)=長崎市、魚の町公園

 橘湾の赤潮被害に遭った長崎市戸石地区の養殖業者、昌陽水産(長野陽司社長)と雄昇水産(西元崇博社長)の直売店が20日、売り上げの一部を再建資金に充てようと、同市魚の町公園のマルシェに初出店し海鮮丼を販売した。先月から企業向け注文配達も開始。長野社長は「諦めかけたが、取引先は1年でも2年でも待つと言ってくれた。もう一回頑張ろう」と復活を誓った。

昌賢鮮魚の海鮮丼

 同地区では今夏、トラフグやゆうこうシマアジ、マダイなどブランド魚の養殖が赤潮で壊滅的な被害を受けた。稚魚を新たに育て出荷までは2年ほどかかる。その間の資金捻出や雇用の確保につなげるため、海鮮丼の販売を考えた。
 海鮮丼は両社直売店で、同市滑石3丁目の滑石市場内にある「昌賢(まっけん)鮮魚」で調理。この日は、赤潮被害を免れたマダイと県産の養殖ヒラスを使った海鮮丼(800円)35個が完売した。10月4日午前11時からも同公園で販売する。
 注文配達は、両社の社長らが県内企業へ直接売り込み実現。今月は第一生命保険長崎支社、メットライフ生命保険長崎本社、県庁でも予定している。
 長野社長は「これからも希望する企業へ海鮮丼配達を続けていきたい」と前を向く。問い合わせは昌賢鮮魚(電095.894.7479)。

© 株式会社長崎新聞社