奥日光の湿原周辺で自動運転バス実証実験

 栃木県が2025年度からの本格運用を目指している自動運転バスの実証実験が、21日から奥日光で行われるのを前に20日、関係者らが出発式を行いました。

 自動運転バスの実証実験が行われるのは、ラムサール条約湿地に登録されている奥日光の湿原周辺の片道9.3キロの区間です。この区間は現在、環境を保全するため自家用車の乗り入れを規制し、電動バスが走っています。出発地点の赤沼車庫停留所では、県やバスの運行会社の関係者らが集まり、自動運転バスの出発式を行いました。県は、バスの運転手の人材不足の解決や地域活性化を目的に2025年度から自動運転バスを本格的に運行させるため、これまで7つの市と町で実証実験を行ってきました。

 8カ所目となる日光市では初めて公道の一部で一般車両の通行が規制されているルートで行い、自動運転の導入の可能性を検討します。式典の後に、参加者がさっそく自動運転バスに乗り込み、その乗り心地を確かめました。実験は、運転手が乗ったうえで基本はハンドルから手を離した状態で走行します。日光国立公園内の一部の区間では樹木が生い茂りGPSによる位置情報の測定が難しいため、バスのカメラやセンサー、それに路面に貼られた磁器の目印など最新の技術を使って安全に運行ができるようにしたということです。

 日光市での自動運転バスの実証実験は、21日から来月4日まで行い、県は今年度(2023年度)中に、下野市や芳賀町でも実験を予定しています。

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