備後ピザ ~ 厳選素材を生かしたこだわりのピザで備後地区を盛り上げたい

福山市内海町(うつみちょう)は四方を瀬戸内の穏やかな海に囲まれ、新鮮な魚や牡蠣(かき)など海の幸が豊富です。

その内海町や備後地区の食材を厳選し、ピザを作っているのが「備後ピザ」です。

備後ピザはのせる具材だけではなく生地にもこだわっており、ばらの天然酵母を使用しています。

ピザ専門のキッチンカーとして移動販売からスタートした備後ピザは、現在、内海町にある店主の自宅の庭で営業しています。

目の前に海が広がる場所でピザが食べられるのです。

備後ピザのこだわりや魅力について紹介します。

海が見渡せる自宅庭で営業販売開始

「備後ピザ」は2023年2月にオープンしたキッチンカーのピザ専門店です。

移動販売していた当時

キッチンカーの中にはオーダーメイドの焼き窯が備え付けられています。

注文してからその場で焼きたてのピザが食べられるのが魅力です。

車内に備え付けられたピザ焼き窯

オープン当初は、内海町や沼隈町にあるお店の駐車場内などで移動販売をしていました。

しかし、移動販売をしているうちに提供する場も大事だと感じ営業場所を変更します。

2023年5月からは内海町にある店主の自宅の庭で販売を開始。

ゆっくりとピザを食べてもらうために、穏やかな瀬戸内の海を一望できる現在の場所を選びました。

キッチンカーのある庭にはテントが張られていて、4人掛けのテーブルを2卓設置してあります。

海風がさわやかに吹き抜ける庭は開放的。

外階段を上がって2階のテラスに行くとテーブル席が1卓あります。

テラス席から見渡す海の景色もまた格別です。

心地良い“さざ波”の音を聞きながらゆっくりと過ごせます。

テイクアウトもできるので、目の前にある砂浜にレジャーシートを広げ、海を見ながら食べるのもおすすめです。

こだわりの地元食材を使用したピザ

備後ピザの特徴はその名のとおり、備後地区の厳選した食材を使ったピザを作っていることです。

  • 内海町にある養豚場横島ファームで育てられた「潮風豚」
  • 走島の特産品「走島産ちりめんじゃこ」
  • 広島県府中市で伝統的に作られている「府中味噌」 など

ピザではあまり見かけない食材もありますが、計算された組み合わせでそれぞれ素材の味が引き立つように仕上がっています。

もうひとつの特徴は「ばら酵母」を使ったピザ生地といえるでしょう。

写真提供:備後ピザ

「ばらのまち」として知られている福山市。

ばらの花びらから採取した天然酵母を、パンやワイン、日本酒などに活用できるよう商品化したのが、福山大学とぬまくま夢工房による「ホシノ薔薇酵母パン種」です。

ばら酵母の存在を知り、「備後ピザ」のピザに使うために試行錯誤しました。

天然酵母は醗酵する力が弱いためかなりの時間を要します。

温度管理も大切で、季節や天候などの環境によっても酵母の状態が変わってしまうそうです。

醗酵するまでになんと32時間かかるのだとか。

ばら酵母を使用したピザ生地は、もっちりした食感で芳醇な香りが特徴。

写真提供:備後ピザ

小麦粉はヨーロッパ系のものを使用しており、独自でブレンドしています。

一般的にピザ生地にはバターなど乳製品、卵、オイルを入れるそうですが、備後ピザではいずれも一切使用していません。

生地の原材料は、以下のものだけを使用しています。

  • 小麦粉
  • ばら酵母

安心・安全に食べられるように工夫してあります。

小さいお子さんや年配のかたでも食べやすいと評判です。

厳選備後食材を味わうメニュー

備後ピザのメニューには厳選した食材を使っているので、なかには1日数量限定ものもあります。

メニューを見てみると、どれも味わってみたい一品ばかりです。

苦手な食材やアレルギーなどがある場合は、伝えておくとできる限り対応できるそうなので注文時に相談してみましょう。

写真提供:備後ピザ

豊富なメニューのなかでも一番人気は、2.うつみ海苔と瀬戸内しらすチーズなのだそう。

いろいろなピザを味わってみたい人は、「ハーフ&ハーフ」がおすすめです。

ハーフ&ハーフもできるメニューは11種類!

ピザを半々に組み合わせて食べられるメニューはこちらです。

  • うつみ海苔チーズ
  • うつみ海苔と瀬戸内しらすチーズ
  • 瀬戸内しらすと旬野菜マヨチーズ
  • 瀬戸内しらすと旬野菜ガーリックトマト
  • 潮風豚と旬野菜の府中味噌チーズ
  • 潮風豚と旬野菜のトマトチーズ
  • 潮風豚のポークカレー旬野菜チーズ
  • トマトとバジルチーズのマルゲリータ
  • 田尻あんずとゴルゴンゾーラチーズ
  • 田尻あんずとマシュマロ手作りリコッタチーズ
  • クワットロフォルマッジ(4種のチーズ)

ハーフ&ハーフにしたい場合は、上記メニューのなかから好きなピザを2種類伝えましょう。

単品半額のそれぞれ足して値段を計算します。

このなかから、「2.うつみ海苔と瀬戸内しらすチーズ」と「10.田尻あんずとマシュマロ手作りリコッタチーズ」を選んでハーフ&ハーフにしてみました。

2.うつみ海苔と瀬戸内しらすチーズ(ハーフ:750円)&10.田尻あんずとマシュマロ手作りリコッタチーズ(ハーフ:900円)

海苔の入ったピザは初めてでしたがチーズとよく合い、口に入れるとふわっと磯の香りが広がります。

生地のなかはもっちりとしていますが、外側はパリッとした食感です。

もうひとつのあんずジャムを使ったピザは、甘酸っぱいあんずジャムとリコッタチーズがマシュマロの甘さを引き立たせていて味のバランスが絶妙です。

とろっと溶けたマシュマロの食感も楽しめ、思わず「おいしい!」と叫んでしまいました。

スイーツ感覚で食べられますよ。

予約して食べたい「お好み焼き風ピザ」

「12.おちょビンゴ(お好み焼き風)」には、沼隈町にある仕出し屋の特製「ビンゴソース」が使用されています。

写真提供:備後ピザ

横島ファームの潮風豚、キャベツ、エビなどの具材が入っており、お好み焼き風なので子どもでも食べやすいメニューです。

おちょびんごは、1日10食限定となっていますので問い合わせをして早めの予約をおすすめします。

牡蠣を使った新メニュー

同じく1日10食限定の新メニューが、「13.内海カキ小町の府中味噌とトマトガーリックチーズ1,800円(税込)」です。

「内海カキ小町」は1年通して生食ができる牡蠣で、大粒で甘みが強いのが特徴。

写真提供:備後ピザ

内海町の限られた場所でしか販売しておらず、市場には出回っていません。

このピザには3個の牡蠣がぜいたくに使われています。

写真提供:備後ピザ(内海カキ小町の府中味噌とトマトガーリックチーズ)

味噌、ガーリックトマトとの相性は抜群に良いそうなので一度は食べてみたい一品です。

数量限定のため必ず予約が必要ですので、問い合わせをして確認してください。

ジェラートの販売も開始

しまなみドルチェの尾道瀬戸田ジェラートも販売が始まりました。

地元産のフルーツをたっぷり使っている人気のジェラートです。

写真提供:備後ピザ / シャーベット・アイスミルク(各330円税込)

ピザを食べたあとにデザートを食べるのはいかがでしょうか。

なかでも「チョコチップ」は、ザクザクのチョコチップがたっぷり入っていて子どもに人気があります。

ピスタチオ、アーモンド、ブラッドオレンジなどの厳選素材を使ったスペチャーレシリーズも販売しています。

写真提供:備後ピザ / スペチャーレシリーズ(各380円税込)

海が見える自宅の庭を開放し、食材にこだわったピザを提供する「備後ピザ」。

備後の食材になぜそこまでこだわるのかなどの想いを、店主の鈴木光男すずきみつお)さんに聞きました。

備後ピザ店主の鈴木光男さんにインタビュー

備後ピザ店主・鈴木光男さん

備後地区の食材にこだわったおいしさが評判の備後ピザ。

備後ピザ店主の鈴木光男さんに詳しくお話を聞きました。

ピザのおいしさをたくさんの人に届けたい

──なぜ、ピザ専門のキッチンカーだったのですか?

鈴木(敬称略)──

ピザが大好きで、多くの人に大好きなピザを食べてもらいたかったからです。

小学生のころに知ったピザのおいしさに感激して、料理人の道を目指しました。

本格的に技術を学ぶためピザ発祥の地イタリアに渡り、ナポリピザ協会認定のAssociazione Vera Pizza Napoletanaでピザの職人技術を習得。

その後は多数のイタリア料理店で料理長を経験してきました。

今までたくさんのイタリア料理を作ってきて感じたことがあります。

ピザは世界で認められているB級グルメだと。

世界のどこにでもあるお手頃でおいしい食べものなんですよね。

「たくさんの人にピザのおいしさを知ってもらいたい」

「キッチンカーだと移動販売ができるからより多くの人に届けられるのではないか」

その思いから、キッチンカーで営業販売を始めました。

おいしい食材がたくさんあるからこそ

──備後地区の食材にこだわる理由は?

鈴木──

備後地区を盛り上げていきたいんです。

今住んでいる内海町には、海の幸などのおいしい食材が豊富にあります。

だからこそ、内海町を中心とした備後地区の食材にこだわってピザを作っています。

品質を大切にし、手間ひま掛けて生産者さんは育てています。

より多くの人に備後の食材の良さを知ってもらい、広めていきたいんですね。

今まで培った技術、食材を生かしておいしいピザを作りたいです。

意外なところにもあったこだわり

──食材のほかにこだわっているものはありますか?

鈴木──

ピザ焼き窯に使っている薪(まき)です。

通常だと薪を購入しなければなりません。

ですが今使っている薪は、内海町の山から調達しています。

ありがたいことに、知り合いの人が「山で伐採した木を持って行っていいよ」と言ってくれました。

使用している木の種類はウバメガシ、サクラ、クヌギ。

木の種類によって火力などの特徴がそれぞれ違います。

そのなかでもウバメガシは備長炭を作るには最高峰と言われています。

火力が安定しており火持ちの良さが魅力なんですよ。

薪としてウバメガシが使えることが幸せなんです。

そして、独自で調達できているからピザの価格も抑えられています。

環境にやさしくあるために

──きっと、大変な作業ですよね。

鈴木──

山のなかに入り木を調達することは確かに大変です。

薪割りもするのですが、なかなか思うようには割れません。

けれども都会で育っている私は、自然に触れながら仕事ができることが楽しいのです。

大変さが分かったからこそ感謝が生まれています。

薪拾いをしていた時代は山が生きていたと聞いたことがあるんです。

木を伐採して薪拾いをすることで、山に日光が入りきのこなどの山の幸も育つのだそう。

環境にやさしい企業でありたいと考えています。

──今後、取り組みたいことはありますか?

鈴木──

まだ見つけていない備後の食材を使ってピザを作りたいです。

ですから、つねにアンテナを張って探しています。

知らない備後のおいしい食材がもっとあると思うんです。

ピザにはどんな食材でも合う。

そう思うのでいろいろ試してみたいですね。

おわりに

ここでしか味わうことのできない「備後ピザ」。

これからどんな備後の食材を使ったメニューが登場するのかとても楽しみです。

また、備後ピザでは来た人に楽しんでもらうため、不定期ですがコンサートやマルシェなどのイベントを企画しています。

もちろんピザの販売もしているので、おいしいピザを食べながらゆっくりイベントを楽しむのもおすすめです。

イベント情報はInstagramで発信しています。

ドライブ気分で訪れて、海をながめながらイタリアで技術を習得した本格的なピザを味わってみませんか?

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