CA内定最多37人 輪島の航空大学校、コロナ禍耐え 採用再開も大手倍率100倍超

憧れのCAに内定した学生=輪島市の日本航空大学校

 日本航空大学校(輪島市)の航空ビジネス科の37人が航空会社の客室乗務員(CA)に内定した。同科開設以来、最多の内定者数で、新型コロナの影響で新卒採用の中止が続く中、採用を再開した大手航空会社など倍率100倍超の難関を突破した。採用見送りへの不安を抱えながら入学した学生は「航空需要は必ず回復する」という教員を信じて研さんに励み、夢をつかんだ。

 内定したのは航空ビジネス科の2、3年制コースで学ぶ学生。4年ぶりに新卒採用を再開した全日本空輸、昨年から採用を再開した日本航空には、それぞれ5人が内定した。中には2、3社から内定を受けた学生もいた。

 コロナで大きな打撃を受けた航空業界では、多くの航空会社が2021年卒のCA採用を中止した。22年卒についても大手の全日空と日航が見送ったほか、採用数を抑える会社も多かった。

 21年に3年制コースに入学した学生は、コロナ収束の見通しが立たない中、「このままCAを目指して大丈夫だろうか」と不安で押しつぶされそうな時もあったという。大手航空会社に就職が決まった3年の木原凛さんは「先生の『採用は必ず再開される』という言葉を信じて勉強に励んだ良かった」と笑顔を見せた。

 CAを目指して親元を離れ、航空高石川から日本航空大学校に進学した3年の沼田夏弥さんは、コロナで突然進路を絶たれた先輩の姿を目の当たりにしており「高校から頑張ってきて、夢を諦めたくなかった」と内定を喜んだ。

  ●初の男子学生合格

 2年の大井コリン・マイケルさんと清水皓太さんは、同校の男子学生で初めて内定を受けた。清水さんは「同じ志を持った仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)し、高め合うことができた」と話した。

 航空ビジネス科は11年度に創設され、これまでに約150人のCAを輩出している。内定した学生は元国際線CAの宮田雅美副学長が考案した面接対策が役立ったという。

 今年は企業別の試験対策にも注力し、90%超という合格率を達成した。日本航空学園の浅川正人常務理事は「日本一の合格率だ。教員を信じて努力を重ねてきた学生たちをたたえたい」と話した。

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