【MLB】千賀12勝目 8試合連続QSの安定感で防御率リーグ2位に浮上 サイ・ヤング賞争いでの立ち位置は

写真:後半戦安定感抜群の千賀滉大

9月20日(日本時間21日)、メッツの千賀滉大は敵地でのマーリンズ戦に先発登板。毎回ランナーを許しながらも6回2失点の好投で、今季12勝目を手にした。

今日の試合前まで、千賀はナ・リーグでブレイク・スネル(パドレス)、ジャスティン・スティール(カブス)に次ぐ防御率3位だった。千賀がこの好投で防御率2.96と2点台を維持したのに対し、同日に先発登板したスティールは3回6失点と大量失点で防御率3.00まで落ちた。それにより千賀は防御率がナ・リーグ2位にまで浮上している。

また、奪三振数は194となり、200奪三振まではあと「6」とせまる。日本人投手で1年目に防御率2点台&200奪三振を達成すれば、1995年の野茂英雄(防御率2.54、236奪三振)以来2人目となる。

メッツはレギュラーシーズン残り10試合となっており、千賀の先発登板は最低でもあと1度はあるはずだ。現在161回1/3の千賀は次回登板で162回の規定投球回数に到達する見込みだ。防御率2点台を維持するためには次回も好投しなければならないが、千賀は今日で8試合連続のクオリティ・スタート(6回以上自責点3以内)を達成するなど安定感抜群で期待が持てる。

シーズン前半は活躍するも、後半に入って体力的な問題や相手からの研究が進んだことにより失速していく。日本人選手に限らず新人選手によくあるパターンだ。野茂やダルビッシュ有、前田健太らMLBで実績を残してきた先発投手らも渡米初年度は後半戦に苦しんだ。

しかし千賀はこれに当てはまらないようだ。前半戦は16試合に登板し防御率3.31と十分に好投していたが、後半戦に入ってから12試合で防御率2.51とさらにギアを上げている。前半戦では登板ごとのパフォーマンスに浮き沈みがあったが、今の千賀は毎登板しっかりと試合を作りチームに勝利するチャンスを与えている。6月23日に4失点(自責点2)して以降の直近14試合で、4失点以上した試合は1度もない。

ナ・リーグのサイ・ヤング賞争いはスネルが制する可能性が高い。サイ・ヤング賞において重視されやすい防御率が2.33と飛びぬけていることに加え、奪三振数もリーグ2位だ。しかし、千賀の投球内容ならサイ・ヤング賞投票で1位は難しくとも上位に食い込む可能性がある。

日本人投手が同投票で1年目から3位以内に入ったことはない。1年目の最高位は前述の野茂の4位だ。残りの登板で防御率2点台を維持すれば、3位以内に食い込む可能性は十分にある。

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