西沢成悟&サンライズ太陽(メメタァ)×畑山悠月(KALMA)- 一瞬に全てをかける等身大のメメタァが新宿LOFTで爆発! 迎え撃つKALMAがその胸中と意気込みを語る!

“メメタァ聴いてます”ってDM、嬉しかったな(西沢成悟/メメタァ)

成悟:メメタァが最初にKALMAと一緒だったのはね、名古屋のサーキットイベント。『でらロックフェスティバル2019』に出てたの。

悠月:それ、18歳で高3のときとかですね。

成悟:何で覚えてるかっていうと、(KALMAが)9分押してたのよ。

悠月:当時、高校生でそもそも“押しちゃいけない”みたいなことも全然知らなかったんですよ。

太陽:気持ちさえ込めれば良いって思ってたんだ!

悠月:そうです。だって、学校の先生だってチャイムが鳴っても授業するときとかあるじゃないですか(一同笑)。だから、楽しかったら良いみたいな感じだったんですよね。そのときも楽しすぎて時計とかも見てなかったし、ライブ後にメッチャ怒られまして、持ち時間にこんなにも厳しいものなんだと。いま思えば、全方面にご迷惑をかけてますよね。

成悟:KALMAの次(のアクト)が、友達のベランパレードっていうバンドだったから覚えてるんですけどね。それでその年の11月に、渋谷LUSHで対バンをして。

太陽:その対バンはメッチャ覚えてる。KALMAがトップバッターで、“次の日が学校だ”って言ってて。でもあの日もさ、確か15分ぐらい押してるんだよ(笑)。高校生だったしみんなで許してたんだよ、“アドレナリンが出たんだろうな”って。

悠月:普通に世間知らずの、クソ高校生バンドでしたね(笑)。

成悟:でも、押したりもするよね。気持ちが溢れちゃうと。

悠月:ワタナベシンゴ(THE BOYS & GIRLS)という人が札幌にいてすごく喋るんで、(影響を受けて)MCが長くなっちゃうんですよね。

成悟:その、渋谷LUSHでのライブのときにリリースがあったとかでCD店周りもしてて、すごいなぁ、そのうち絶対に来る(=ブレイクする)んだろうなって思ってて。

太陽:背筋がピーンとしたんだよな(笑)。今年の『ムロフェス』で、渋谷LUSHでの対バン以来でちゃんとライブを見たんだけどあのときとは全然違ってて、メチャクチャカッコ良くなってる! って思った。悠月が大人になってる! って(笑)。メンバー1人1人と連絡は取っているけど、特に悠月は音源が出来たらLINEをくれたりとかしていて。今回やっと、初めてツーマンで対バンだからね。嬉しいなぁ。

悠月:本当ですね、嬉しいです! 新宿ロフトはこの日、初めてライブをやるんですけどマジで…情けないです。

太陽:おいおい、どうした!?(笑)

悠月:バンドが今年で8年目なんですけど、なのに未だ新宿ロフトでやったことがなかったんです。

樋口:私、去年の『スペースシャワー列伝』でライブを拝見してたので今回、メメタァの対バンでKALMAというお名前を見たときに、ただただ楽しみだなと思っていて。新宿ロフトはどんなイメージとか、あります?

悠月:バンドとしての登竜門みたいな老舗のライブハウスだし、本当にいつかやりたいと思ってました。

──バンドとしてのKALMAについても少し触れさせてもらいたいのですが、かつて高校のときから上京してはライブをする、そんな中でメメタァとも一緒になる機会があったということですよね?

悠月:そうです。札幌で高校生だったんですけど、ライブに関してはメッチャいろいろと経験をさせてもらってました。札幌でのライブは平日の学校終わりで、東京は週末に行く、みたいにやってました。

太陽:学校はちゃんと卒業できたの?

悠月:本当にギリギリでしたけど、できました。ベースの(斉藤)陸斗は頭が良かったのでテストもちゃんとやってましたけど、僕は本当に勉強がしたくなくて学年で下から2番目とかで。ヤバかったんですけど、担任の先生はバンドをやっていることも知っているのに一切バンドのことは言ってこなかったんですよ。最後の最後のタイミングで“お前、(成績で)1があるから卒業できないかもしれないぞ。お前がバンドをやってるのは知ってるし、応援するから”って励ましてくれて…何とか、卒業はできましたね。だからそんなお陰もあって、ライブもやれてました。マジで青春でしたね、東京でライブをして次の日の朝イチ3人で羽田空港から帰って、着いてから制服に着替えて(笑)。

樋口:えぇー、そうだったんだ。それはすごいな!

悠月:キツかったですけど楽しい部分が勝ってたし、すごく純粋に何も気にせずに音楽を楽しめてましたね。最近、ありがたいことにちょっとずつお客さんも増える中でライブをしていて、昔に比べて1人1人に唄うというよりかはそこにいる全員に唄ってる感じだなと思ったんです、自分が。そういうときにメメタァの曲をサブスクとかで聴くと、成悟さんは絶対に、1人1人に向けて唄っている。それが当たり前なのに…ってメメタァの曲を聴いて、すごく思わされたことがあったんです。自分は1人1人の目を見て唄う余裕がなくなってる、でもメメタァは“1人1人に向けてちゃんと唄うんだぞ”って、唄ってるなぁっていうのを最近、すごく感じてました。

成悟:そう言ってもらえると嬉しいなぁ。DMをくれたこともあるよね、“メメタァ聴いてます”って。

太陽:悠月は昔っから“メメタァ聴いてます!”って、こと細かにLINEをくれるんですよね。ガチで(2組の)接点がないって思われてるけど意外にあるんだよね。俺ら、友達だよ!(笑)

ここから僕らの新宿ロフトの旅が始まりますよ(畑山悠月/KALMA)

成悟:逆に聞いてみたいんだけど、KALMAは俺らよりデカいステージに立ってるじゃない? ステージが大きくなるにつれ、1人1人に向けてという感じから全体を見る感じにやっぱり変わっていくものなのかなぁ、作る曲とかも。デカいステージでそこにいる人全員に向かって唄えるっていうのも俺はカッコ良いとすごく思うんだよね。

悠月:俺はMr.Childrenがすごい好きなんですけど、桜井(和寿)さんがドーム規模で何万人のお客さんの前で唄うときにどんな気持ちで唄ってるのかなって思ってて。1人1人に対してなのか、それとも良い意味で会場全体に均等に、みたいなのか。ライブハウスの近い距離でやっているときは全員均等に1人1人の目を見られたけど、フェスだったり大きいステージになると、全員均等に愛を与えられていない感があったんですよ。だから最近はわりと、全体に唄うようにはしてたんです。

成悟:それはそれで良いんじゃないかなぁ。高校のときから知ってるとさ、年齢的な成長もそうだけどバンドとしての成長も相まって、曲も変わっていく感じがグッと来るよね。俺ちはちゃんとCDが出せるようになったのも20代の後半とかだから、若いときの音源もちゃんと残ってて、変化を追えるのはすごく羨ましいなって思う。

太陽:KALMAの新譜(10月18日リリース・ミニアルバム『ムソウ』)を聴いたんだけど、歌詞にしても人間的な成長だったり葛藤とか、奮い立たせなきゃいけないっていう感情が伝わってきたし、俺的にはこれまで8年のバックボーンとかが描かれてるなぁって思った。

成悟:その瞬間瞬間での歌がちゃんと残ってる、そういうのが羨ましいよね。

太陽:バンドが今年で8年ってことは、15歳からバンドやってるってことか。長いなぁ、成悟も高2・17歳のときからメメタァやってるけどね。1人でずっとメメタァの看板を背負って。

悠月:え!? そうなんですか、すごいっすね!!

成悟:でも、KALMAが歩んでるような道のりじゃないから(笑)。

悠月:続いてることが何よりカッコ良いって思うんで。

樋口:メメタァは確か19歳ぐらいの頃に初めて新宿ロフトに出てもらったんだよね。成悟くんは蝶ネクタイしてて(笑)。

悠月:蝶ネクタイ!? 昔はコミックバンドをやってたんですか?(一同笑)

樋口:違う違う(笑)。でもメッチャ尖ってて、“大人なんか信用しねぇ!”みたいな感じのギラギラした目をしててね。

成悟:そんなこと、思ってないですよ!(笑)

悠月:確かに成悟さん、今も尖ってますよね? 優しいけど、この人は絶対に尖ってるなって歌を聴いてて言い回しとかでも感じてて、そんなところも絶対に好き! って思ってました。

成悟:……ありがとう!

樋口:今やメメタァは新宿ロフトでライブや企画もやってくれて、回を重ねるうちに気がつくと仲良くなっていて今に至るけどね。メメタァもそうだったけど、(メメタァが出てきた)当時はわりと個性派と言うか、尖ってるバンドが多かったよね。みんな尖ってて主張が強くて本当に個性のかたまりしかいなかったけど、逆に言うとそれが今は薄いかもしれない。良くも悪くもだけど、今のバンドの子たちはおとなしいと言うかスレてない子が多い、と言えば良いのかな。メメタァの世代のバンドなんかは私と10歳以上離れてるけど、みんなグイグイ来てたもんね。

悠月:俺は尖ってる人が好きで、札幌で尖ってる先輩って言えばワタナベシンゴなんですよ。シンゴさんは馴れ合いで楽しくやってモテようとしてる感じじゃなくて、がむしゃらで顔をぐちゃぐちゃにして歌う、だからメッチャ好きで。信念もあってライブもカッコ良くて“尖ってるってカッコ良いな”って初めて思えたし、だからってただ尖れば良いっていうのも違うと思うんですけど、そういう精神はすごく真似したいと思ってて。だからこっちを行けば良いのにあえてこっちじゃないほうを選んだりとか、っていうのが多くなっちゃって。たとえばライブの打ち上げにしても最近、みんな出ないじゃないですか(一同うなずく)。そういうのも何でなのかなぁ…って思ったりしてて。

樋口:新宿ロフトはね、強制的とは言わないけど(笑)“1杯だけ乾杯していって!”とは言うようにしてる。

太陽:そもそもブッキング担当の人とかが一緒に飲むってことがなくなってきてると思うんですけど、樋口さんは先頭切ってきますからね(笑)。楽しいよ〜、ロフトの打ち上げは!(笑)

悠月:あ〜、それは良いですね。次の日、休みにしてるんで!(笑)

成悟:新宿ロフトは楽屋もさ、入るとテンションが上がるよ。セットリストとかパスとかが貼ってあって。

悠月:できるならば本当に、自分たちのツアーとか企画とかで行きたいライブハウスの片手5本指に入るぐらいの場所だけど、ライブをやったこともないのにお願いできるような場所でもない、何回も何回も出てやっと自分たちの企画が打てるようなハコ(=ライブハウス)だと思っていたので。だからこそメメタァが呼んでくれたのはメッチャ嬉しかったです。ここから僕らの新宿ロフトの旅が始まりますよ。

樋口:新しい繋がりも本当にありがたいですね。それこそメメタァは今でこそ新宿ロフトで企画もしてくれてるけど、悔しい思いもいっぱいしてるはず、っていうライブをしてる場所なはずだしね。

成悟:してます、メチャクチャ。

──新宿ロフトでKALMAをゲストに迎えて、メメタァのツアー初日がいよいよ迫ってきました。最後に改めて、どんな1日になりそうでしょうか。

成悟:俺らはコロナ禍でもロフトにけっこう出ていて。配信ライブをやったりワンマンもやったし、毎年恒例の『年末大感謝祭』っていうイベントもやったりしてるけど、コロナの規制が緩和されて以降の新宿ロフトで(自分たちのツアーとしては)初になるライブかなと。俺は新宿ロフトでダイブしたりぐしゃっとなっている光景を見るのが好きで、だからってダイブして欲しいっていう意味じゃないんだけど(笑)、100パーセント自由にみんなが好きに楽しめるもともとの場所を作れたらと思ってるし、今だからこそ爆発できるようなライブを自分たちはやりたいなと思っているし、KALMAも俺らも制限がある中で頑張ろうとしてた時代があったからこそできる、放出みたいなものをちゃんとお客さんに届けたいなと思ってます。ツアー初日でツアーの1本にはなるんですけど、ツアー各地でそうなれば良いなと思って良い1日にしたいですね。

太陽:そうだね。気合が入るし、KALMAとなら良い日になりそうな気がする。

悠月:ツアーの中で一番良い日にしますよ! 何分、押しても大丈夫ですか?(一同笑)

太陽:ステージ前で成悟にタイムキーパーさせるから(笑)、自由にやって!

悠月:いやいや、時間に気をつけてやります(笑)。そもそも申し訳ないんですけど、ロフトにはライブを見に来たこともないんですね。全国どこのライブハウスでも超カッコ良いライブができるバンドがカッコ良いと思うんですけど、そのハコでしかできないライブってやっぱりあるじゃないですか。そのハコでやるべきライブ・出せない音とかがあって、でも俺の中での新宿ロフトってまだ分からないから未開拓すぎて、それがまず楽しみですね。自分らなりの初ロフトをやって、その後にメメタァが培ってきたロフトでのステージを見るのが超楽しみです。

成悟:新宿ロフトのステージ、似合いそうだね。

悠月:本当ですか! 俺の予想ですけど、こういう日のライブってクソ良いライブができるじゃないですか。実際、できる自信もあるんですけど、それでさらにメメタァがメッチャ良いライブをして落ち込む、っていうところまで見えてますね(一同笑)。それで打ち上げですもんね、楽しみだなぁ。

樋口:お話を聞いてきて、2組が初めて出会ったのは4〜5年前ということでしょう? その2組が、コロナ禍も明けて晴れて初めてのツーマンを新宿ロフトでやるというところですごく特別な1日になりそうだし、メメタァのツアー初日としてもも良いものになりそうだなって。あとはミュージシャンとしてやり甲斐のある1日にしてもらいたいし、お客さんも“行って良かったな”って、ライブを見てグッと来るものがあるような日になるといいなって思ってます。個人的には私もワクワク、楽しみにしてますねということに尽きるかな!

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