障害者施設で“経済的虐待”か 食材費を水増し徴収で県が監査 スタッフからは「氷山の一角」の声も

愛知県を中心に全国で障害者向けのグループホームなどを運営している会社が食事の材料費を水増し請求していた疑いがあるとして、愛知県から監査を受けたことがわかりました。

監査を受けたのは東京に本社があり、愛知県や岐阜県など全国13都県で障害者向けのグループホームなどを運営する「恵(めぐみ)」です。

愛知県によりますと去年5月、障害者施設の定期調査を行う岡崎市から「市内のグループホームが利用者の食事の材料費を水増しして徴収している疑いがある。経済的虐待にあたるのではないか」と県に相談がありました。

グループホームで提供する食事の材料費については、実費を徴収するよう厚生労働省が定めていますが、県が去年12月から県内の施設を調査した結果、複数の施設で実費以上の金額を徴収していたことが確認されたということです。

県はことし5月、当時名古屋市内にあった本社に監査を実施。不適切な経理だけでなく、障害者虐待防止法が定める「経済的虐待」にあたる可能性もあるとして、現在もほかの自治体と連携して調査を進めています。

恵のグループホームで働くスタッフからはこんな証言が。

(グループホームのスタッフ)
「この会社はそういう会社。氷山の一角。週末は基本的にみそ汁がつかないので、『これでみそ汁なしか』とかわいそうという思いもある」

厚生労働省はことし6月、「恵」のグループホームがある全国の自治体に実態を調べるよう指示を出しました。

一方、「恵」の担当者は「監査を受けているのでお答えできません」と話しています。

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