欠場翌週に首位スタート 永野竜太郎は腰痛を怖がらずアグレッシブに

35歳の永野竜太郎が初優勝に向けて好発進を決めた(撮影/中野義昌)

◇国内男子◇パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ 初日(21日)◇小野東洋GC(兵庫)◇7113yd(パー72)

賞金ランキング4位につける永野竜太郎が9バーディ「63」をマークし、ソン・ヨンハン(韓国)と並ぶ9アンダーで首位発進を切った。城陽CC(京都)が会場の2021年大会では、アマチュアだった中島啓太にプレーオフで敗れて2位。当時は初優勝を逃した悔しさをにじませたが、2年の月日を経て「2年前の会場どこだっけ? みたいな話」と引きずる様子は見せない。

それよりも、長く抱える腰痛の状態に意識を傾ける。前週は「ANAオープン」に出場するため北海道に移動したものの、開幕前日の水曜日(13日)に痛みが悪化。「ちょっと違和感あるなと思っていたら、水曜は練習場に行ったけどもう無理(な状態)で」。病院に向かってレントゲンを撮り、あらゆるケアを施したが、回復に至らずに出場を見送った。

腰に不安を抱えながらのプレーではあったが、前半から1Wを振った。出だし343ydの10番では1Wショットをグリーン右手前のバンカーまで飛ばし、1.5mを外してのパー発進。「右側のOBのリスクはあるけど、それを取っていたらバーディの確率は減る」とアグレッシブに攻めていった。

15m以上のバーディパットを沈める場面も(撮影/中野義昌)

今年は海外メジャー「全米オープン」を20位で終えたほか、国内ツアーでも4度のトップ5入り。「ティショットの距離が落ちなくて安定しているのが大きい。自分の持ち味で、アドバンテージな部分。曲がったらそれなりのリスクはあるけど、そこを生かせれば次は短いクラブでチャンスにつけられる。ラフからでもグリーンに乗せられる」。全体3位につける平均飛距離(313.41yd)がプラスに働ている自負がある。

初優勝に向けて期待は高まるが、まだ初日。優勝への意識はこれまでと変わらず「4日目が終わって(その位置に)いられればいいな」と多くは語らない。それでも、一昨年に優勝を明け渡した中島、前年覇者の蝉川泰果の飛躍については「いい意味で刺激はもらえている」という。35歳に、闘志は宿っている。(兵庫県小野市/石井操)

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