元受刑者のHIV検査怠る 国側が解決金100万円

 八王子医療刑務所(現・東日本成人矯正医療センター)でのHIVの検査が遅れ、エイズを発症したとして、横浜刑務所などで服役した元受刑者の50代男性が国に計6600万円の損害賠償を求めた訴訟が21日、東京地裁(篠田賢治裁判長)で和解した。国側が解決金100万円を支払う内容。適切な検査が実施されず、治療開始が1年以上遅れたことを認めた。

 男性側によると、地裁は八王子医療刑務所側の対応について「極めて遺憾な事態と言わざるを得ない」とし、和解を勧告していた。

 服役中だった2013年4月、1次検査でHIV陽性が判明したのに、2次検査のために必要な検体を運ぶ機材がなく、放置されたという。

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