経済的な理由などで生理用品を買えない女性たちが近年、顕在化してきました。その実態を学び、行動を起こした広島の高校生を取材しました。広島市南区にある進徳女子高等学校ではトイレである取り組みが実行されています。
■卒業生
「これが文化祭で署名活動をして最初に設置されたナプキンです」
□トイレ
校内のすべての女性用トイレに生理用ナプキンを常備しました。
ナプキンの設置を学校に働きかけたのは2021年。当時の3年生たちです。
きっかけは、授業で学んだ「生理の貧困」でした。経済的な理由などで生理用品を買えない女性たちの存在です。
■重川聖那さん
「ニュースとかで取り上げられ始めたばっかりのころでみんな名前は知っているでも詳しくは知らんってなって学び始めたのが最初」
ナプキンだけでなく生理用ショーツや鎮痛薬など、女性が毎月生理にかける金額は小さくありません。
■女性
「（月に）1000円から多いときには2000円くらいかかるかな高いです安いのどれがあるかな」
■カップル
「2000円くらいサイズ違うものを何個も買わなくてはいけないから結構それが積み重なって」
Q知ってました？
「2000円知らなかったランチ2回行けるね」
去年、厚生労働省が18歳から49歳の女性3000人を対象に行った調査では、「生理用品の購入に苦労したことがある」と答えた人は全体の8.1％。20代以下では12％を超えています。進徳女子高校では以前から保健室でナプキンを借りることはできましたが。
■重川聖那さん
「1個借りたら2個返す倍にして返さにゃいけんみたいな生理の貧困習ってからそれ考えたらいやいやないけえ借りてるのになんで増やして返さなきゃいけんのん。署名を集めてみんなの声を届けたら（学校も）断れなくないって。」
生徒たちは文化祭で「生理の貧困」に関する展示をし、130あまりの署名を集めました。
そして子ども食堂などから余った生理用品を提供してもらい、すべての女性用トイレへのナプキン設置を実現しました。
■生徒たちの声
「ありがたい安心感めちゃある」「量が多いときとか体育があるときおいてあると安心しますよね」
一方で、「女子高」という環境から離れた卒業生には新たな気づきもありました。
■山本佳乃さん
「（アルバイト先で）立っているのもしんどかったりイライラしたりあるじゃないですか「生理中じゃけ」っていったんですよいつものノリでそしたら「そんなこと言って」「デリカシーがない」「非常識ですよ」みたいな。「あ、言っちゃいけんか」って思って」
■寺田朱里さん
「生理をタブー視するのではなく 女性も男性も向き合うべき問題考える機会があるともっと変わっていくんじゃないかな社会全体が」
生理を「隠すもの」「恥ずかしいもの」とする先入観。経済問題だけでなく誰もが自分らしく暮らすために「生理」について考えようという若者からの提言です。
【2023年9月21日 放送】
