日本テレビホールディングス<9404>、傘下の日本テレビを通じてアニメ制作のスタジオジブリを子会社化

「三鷹の森ジブリ美術館」(東京都三鷹市)

日本テレビホールディングスは傘下の日本テレビ放送網を通じて、アニメ制作のスタジオジブリ(東京都小金井市)の株式42.3%を取得し、子会社化することを決めた。所有割合は過半に届かないものの、筆頭株主となる日本テレビは役員を派遣することで、実質基準に基づきスタジオジブリを子会社として傘下に収める。取得価額は非公表。取得予定日は2023年10月6日。

日本テレビは1985年に「風の谷のナウシカ」(1984年、宮﨑駿監督)をテレビ初放送して以来、映画番組「金曜ロードショー」を通じてスタジオジブリ作品を放送し続けている。「魔女の宅急便」(1989年、宮﨑駿監督)からは映画製作に出資したのをはじめ、2001年に開館した「三鷹の森ジブリ美術館」(東京都三鷹市)の設立を支援するなど、スタジオジブリと緊密な関係だった。

スタジオジブリの設立は1985年。今回、スタジオジブリが日本テレビの傘下に入ることになった背景には後継者問題がある。創業者の宮﨑駿監督は82歳、プロデューサー・社長の鈴木敏夫氏も75歳と高齢。後継者としては宮﨑駿監督の長男で、アニメーション監督の宮﨑吾朗氏が有力視されてきたが、吾朗氏自身は経営トップへの就任を固辞していた経緯がある。こうした中、長年歩みを共にしてきた日本テレビとの協議が始まったという。

子会社化後のスタジオジブリの新社長には日本テレビ取締役専務執行役員の福田博之氏を派遣する。宮﨑駿氏は取締役名誉会長に、鈴木敏夫氏は代表取締役議長に就任する予定。

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