いま一度覚えておきたい!「つけない 増やさない やっつける」家でできる“弁当の食中毒予防三原則” プロの対策も教えます!

9月後半を迎えてもなお、暑い日が続く中、青森県八戸市の弁当製造会社の弁当を食べ、体調不良などを訴えている人が全国で300人に迫る勢いで確認されていますが、家庭で作る弁当も食中毒に注意が必要です。そこで、この夏を前に掲載した家庭で実践したい弁当の食中毒対策の記事を再構成、さらに役立つプロの料理人の対策も紹介します。いま一度確認しておきたいポイントをチェックしましょう。

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「食中毒予防の三原則があります。つけない・増やさない・やっつけるの3つです」と語るのは、食品衛生学にも詳しい野菜ソムリエの遠山由美さん。家庭で作る弁当には、特に対策が必要だといいます。

まずは、食中毒予防の「つけない」です。料理をする前にビニール袋を用意します。そのビニール袋を裏返しにして手につけて、食材に直接、触れないようにします。では、「増やさない」、「やっつける」にはどうすればいいのでしょうか。

<遠山由美さん>
「ちくわも冷蔵庫から出して、そのまま、キュウリもそのまま。これ、非加熱です。暑い所で長時間置くとなると心配」

キュウリは別の入れ物に入れ、ちくわは加熱が必要です。また、ミニトマトのヘタやブロッコリーなどは複雑な形のため、細菌が潜んでしまう恐れがあります。

<遠山由美さん>
「2つ目として、鶏肉はしっかり焼き目をつけていて、黒酢でじっくり煮込んでいます。やっつけることには気をつかっている。よく焼く、お酢で煮る。でも骨付きの肉は、骨の回りが生になりやすい」

夏場は水分の多い煮物は避けた方がよいといいます。また、最近、冷凍したまま弁当に入れる商品がありますが、自分で作って冷凍したおかずには注意が必要です。

<遠山由美さん>
「自分で作って冷凍した物は、やはりジクジクと水分が出てきてしまって、微生物増殖の温床になってしまう」

一方、飲食店はどんな食中毒対策をしているのでしょうか。

料理のプロから学びたい食中毒対策

静岡市の老舗すし店では、寿司ネタは生ものを多く扱うため、細心の注意を払っています。

<入船鮨 川澄真一郎代表取締役>
「温度管理に注意している。ネタケースにたくさん出した方が見栄えはいいが、詰め込んでしまうと温度状態がよくないので、なるべく少量ずつ補充するようにしている」

さらに注意しているのは、手洗いです。すしは手で握るもの。安全に商品を提供するため、こちらの店ではアルカリ水で汚れを落とし、酸性水で消毒するダブル手洗いを徹底しています。

では、家庭でもできることは何でしょうか。その秘けつを静岡市内の弁当店で教えてもらいました。

<天神屋 野尻崇生取締役商品本部長>
「(包丁まな板は)基本的には肉・魚と野菜は必ず分けるようにしている。あと洗浄」

複数の食材を同じ環境で扱うのはリスクがあります。こまめな洗浄は欠かせません。さらに仕上げ段階でも注意点が。

<天神屋 野尻崇生 取締役商品本部長>
「具材やご飯の冷却に気をつかっている。基本的にご飯は40度で菌が繁殖しやすいので、それ以下に抑えるようにしている」

絶対に食中毒を出してはいけない飲食店の徹底した対策。わたしたちが学ぶことは多そうです。

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