「不適切な行為」愛知県警が警察署長を更迭…6時間を超える “飲み会”で起きたトラブルとは?

トラブルを起こした署長は昨秋まで生活経済課長を務めていたという(天空のジュピター / PIXTA)

「飲み会当日は22日に開催される予定の各署、県警本部各課らの剣道大会に出場する署員らの壮行会のようなものでした。14日、午後6時から港区内の居酒屋で開かれた飲み会は署長を含め17人が参加。会が進むに連れ、署長らの酒量は増していったようです」(愛知県警担当記者)

9月15日未明、愛知県警港署の藤嶋克浩署長(57)が署員らと飲酒中にトラブルとなり、パトカーが出動する騒動が起きた――。

愛知県警は「署員と長時間飲酒し、泥酔させるなど不適切な行為が認められた」として同日付で藤嶋署長に警務部付の人事異動を発令。事実上の更迭となった。トラブルを起こした藤嶋署長は昨秋まで生活経済課長を務めていたという。

“3次会”がはじまりトラブル発生

前出の記者が騒動の経緯を説明する。

「午後6時から17人で始まった飲み会は午後9時に港区内の飲食店に場所を移動。参加者の人数は11人に減っていましたが、2次会は11時過ぎごろまで続いたようです。ほとんどの署員らは2次会で散会しましたが、署長はまだ飲み足らなかったのか20代の女性署員、20代の男性署員、40代の男性署員らを連れて署長官舎に移動。そこで3次会がはじまりトラブルとなったのです」

その後、署長官舎で行われた3次会は午前2時を過ぎても続いたという……。

「トラブルの内容は今のところ判然としませんが、泥酔した20代女性署員を署員らが介抱しようとしていたところトラブルとなり、女性署員が知人に『もめている』などとLINE。LINEを受け取った知人が心配して午前2時5分に110番通報しました。知人が警察に女性の氏名と属性を伝えたところ女性の携帯電話を把握していた港署員が架電。ですが、電話に出たのは同席していた別の男性署員だったようです」(同前)

翌日の勤務に支障をきたすまで “泥酔”させた

事態を重く見た港署員らがパトカーで署長官舎に駆けつけると4人は泥酔した様子で、なかには酔いつぶれていたものもいたという。

前出の記者が続ける。

「駆け付けた署員は署長を官舎に残し、3人を港署で事情聴取しました。翌日署長は非番でしたが3人は翌日日勤だったそうです。現在はコロナが5類になったこともあり、飲み会を制限している訳ではありませんが、県警としては “過度な飲酒は控えるように”といった指導は行っています。パトカー出動騒ぎを起こしたことはもちろんですが、本来なら指導する立場の署長が翌日の勤務に支障をきたすまで泥酔させたことが不適切だと県警は判断。藤嶋署長は事実上の更迭となりました」

今後、トラブルの原因となった事実に問題があれば「何らかの処分対象になりえる可能性はあるかもしれない」(同前)という。

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