埼玉で交通取り締まり強化へ…特に気を付けることは 30日まで交通安全運動 横断歩道の周辺も注意

秋の交通安全運動、30日まで 自転車ヘルメ重点

 秋の全国交通安全運動が21日、始まった。埼玉県内の交通事故死者は20日時点で77人。前年同期比1人増で全国ワースト6位となっている。県警では、今年4月1日に自転車に乗る全年代に対してヘルメット着用を努力義務化とした改正道交法が施行されたことを受け、春の同運動に続いて、「自転車乗車時のヘルメット着用促進」などを重点目標に設定。県民に広く交通ルールの順守と正しい交通マナーの実践を習慣づけるなど交通事故防止の徹底へ、30日までの10日間、県内各地でさまざまな広報啓発活動を展開する。

 県警交通総務課によると、今年1~8月の県内の自転車事故死傷者は3052人で、377人(12.4%)がヘルメットを着けていたが死者に限ると11人全員が未着用、頭部の負傷が致命傷となったのは5人いた。また11人中9人が交差点内の事故で死亡した。年齢層別では高齢者(65歳以上)が7人で、63.6%を占めて最多。事故類型別では出合い頭が5人と多く、右左折時が4人で続いた。

 昨年1年間でも自転車事故死者16人の非着用率は100%で、乗車時にヘルメットを着けているか否かは重要だ。今年4月下旬の早朝、熊谷市内の信号機のない丁字路交差点で軽乗用車と自転車が衝突。自転車に乗っていた男性の頭部がぶつかった衝撃でフロントガラスはくもの巣状に広範囲に破損したが、男性はヘルメットを着けていたため、頭部の負傷を免れた。

 県警の調査で改正道交法の施行前の2月は3.3%だった着用率は施行後の5月は5.8%、7月は6.1%と徐々に上昇はしているものの、伸び悩んでいる。全国平均13.5%の半分以下で、全国トップの愛媛の59.9%と比較すると50ポイント以上の差がある。県警は運動期間中、さまざまな取り組みを通じ、ヘルメット着用の必要性を訴えて、浸透を図るつもりだ。

 同課は「自転車のヘルメットは万が一、事故に遭った際に命を守ってくれる可能性のある重要なアイテム。自転車に乗る時はヘルメットをかぶるということが県民に習慣づくように、啓発活動を続けていきたい」としている。

 県警では自転車ヘルメットの着用促進のほか「横断歩道における歩行者優先の徹底」も運動の重点に挙げている。

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