糖尿病、ダイアベティスに 学会、英語名の通称提案

記者会見する日本糖尿病協会の清野裕理事長=22日午後、東京都内

 日本糖尿病学会と日本糖尿病協会は22日、糖尿病の通称の候補として、英語名「ダイアベティス」を提案した。病名を巡り、患者から怠惰や不潔といった負のイメージにつながるとの意見があり、変更を求める声が上がっていた。1~2年をかけて患者や医療従事者らから広く意見を募る。

 採用されれば「ダイアベティス(糖尿病)」と新旧の呼称を併記することを検討している。

 学術団体の学会と、患者や医師らでつくる協会の合同委員会が1月、新呼称を検討する作業部会を設置。「ディアベ」「DMS」「糖代謝症候群」など複数の案の中から、学術的に正確で、海外でも使われるダイアベティスを選んだ。

 尿から糖が出ても糖尿病とは限らず、糖が出ない場合もある。協会の清野裕理事長は「糖尿病という名称は、科学的に正しいか疑問で、患者に喜ばれない。世界の共通言語に思い切ってかじを切るべきだ」と主張した。病名自体の変更も視野に入れているという。

 かつては「蜜尿病」との呼称もあったが1907年に糖尿病に統一された。

© 一般社団法人共同通信社