強制不妊訴訟が結審、10月判決 仙台高裁、除斥期間に言及

 旧優生保護法下で不妊手術を強いられたのは憲法違反として、宮城県の70代と80代の男性2人が国に計6600万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審が22日、仙台高裁で結審した。判決は10月25日。

 小林久起裁判長は8月の第1回口頭弁論で、損害賠償が請求できる期間について、20年で権利が消滅する「除斥期間」を適用するかどうかという判断はせずに「時効期間と解釈する」と言及。民法の規定では、時効は権利乱用などを理由に中断や停止が可能としており、原告寄りの判断を示した。

 小林裁判長は「法の基本原則である正義・公平の観点が制限されるような考えは取りづらい」と指摘していた。

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