特産の“柿”が初めて空を飛ぶ「時代も変わった…」農家の高齢化や人手不足の解消なるか

愛知県幸田町では、地元特産の柿をドローンで運ぶ実証実験が行われました。“柿が空を舞う”そのワケは?

これから旬を迎える幸田町の特産品「筆柿」。筆のような形が特徴で甘味が強く、歯ごたえが良いこの柿がなんと、初めて空を飛ぶというのです。

その舞台となるのは、道の駅「筆柿の里・幸田」。駅長に話を聞くと…

(道の駅 筆柿の里・幸田 倉橋寿樹駅長)
「(筆柿は)一番の出荷を誇る果物ですね。(Q.きょうこの筆柿が空を飛ぶが…?)いよいよ時代も変わったという感じで、いいんじゃないですか」

道の駅には「筆柿が空を飛ぶ」と聞きつけて、集まった地元の議員たちの姿も…

(町議会議員)
「ちょっと期待して見に来た」
「(Q.筆柿が飛ぶ時代が来ると思っていた?)そんなことは考えていなかった」

集まった報道陣らも固唾を飲んで見守る中、ついに…

(田原健太郎記者)
「ドローンが筆柿をのせて飛んできました」

約300メートル先にある農園から飛んできたのは、筆柿を乗せたドローン。ドローンが無事に着陸すると、約4キロの筆柿が町長の手によって取り出されました。

(道の駅 筆柿の里・幸田 倉橋寿樹駅長)
「(Q.筆柿を飛ぶ様子を見てどう?)近い将来です」

そもそもなぜ柿を飛ばす必要があるのか。実は名古屋鉄道などが行った実証実験なんです。その狙いは…

(名古屋鉄道・事業創造部 森本恭平さん)
「地域の利便性向上や農業の発展に次世代技術を使って貢献していきたい」

幸田町では、筆柿などの生産農家の高齢化や人手不足が進み、販売量の減少が懸念されています。実証実験はそうした課題を解決しようと、ドローンなどを使い農作物の輸送の負担軽減や効率化を目指して、今回初めて行われました。

22日は、ドローンで農作物を農園から道の駅へ運んだほか、届いた農作物を地元の農家が自動運転の車で市街地へ運ぶデモンストレーションも実施。実験を終え、地元の農家は…

(筆柿農家・平岩昇さん(74))
「(農作物をドローンなどで)自宅や選果場まで運べるようになると非常に効率的にいい」

実証実験を行った名古屋鉄道では、今後は運べる重量や距離などの課題を検証し、実用化を目指したいとしています。

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