認知症新薬25日にも承認 エーザイ、対象は限定的

アルツハイマー病治療の新薬「レカネマブ」の米国での製品イメージ(エーザイ提供)

 製薬大手エーザイと米バイオジェンが開発したアルツハイマー病新薬「レカネマブ」について、厚生労働省が25日にも製造販売を承認する見通しであることが22日、関係者への取材で分かった。病気の原因に働きかける仕組みの「疾患修飾薬」と呼ばれる初の認知症薬となる。

 薬価を決める手続きを経て年内にも実用化される見通しだが、対象が軽度アルツハイマー病患者と、その前段階の軽度認知障害の人に限定されるほか、脳出血などの副作用が一定数報告されるなど課題も多い。

 7月に本承認された米国では標準的な価格は年2万6500ドル(約390万円)。日本でも高額な薬価が予想されるため、財政圧迫も懸念される。また進行抑制の働きは示されたが、病状は回復しないため、患者や家族が効果を実感しにくいという指摘もある。

 レカネマブは患者の脳に蓄積し、神経細胞を傷つけるとされるタンパク質「アミロイドベータ」に結合して除去する抗体の薬。臨床試験では症状悪化を27%抑制し進行を遅らせる効果が認められた。一方で脳のむくみや、出血などの副作用も報告されている。

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