陶芸工房、4軒が公開 24日まで 茨城・笠間の手越地区 制作現場、作家と交流 

アトリエ公開を行っている「陶の里」の4工房のうちの一つ、八十島窯の八十島雅樹さん、八重子さん夫妻(右から)=笠間市手越

茨城県笠間市手越地区にある4軒の陶芸工房が制作現場を公開する「オープン・アトリエ陶の里」が24日まで開かれている。各工房では「制作現場の雰囲気に触れて、作り手や作品に親しみを持ってもらいたい」と多くの人の訪問を心待ちにしている。

このグループのアトリエ公開は、毎年9月下旬に実施しており、今年で14回目。参加しているのは「風の窯」の新井倫彦さん(76)、「八十島窯」の八十島雅樹さん(74)、八重子さん(76)夫妻、Keicondoさん(42)、「樹(いつき)窯」の酒井芳樹さん(73)。

「陶の里」は作家たちが自ら命名した。辺り一帯は、雑木林がつながり、小鳥のさえずりが聞こえる静かな環境。4軒は歩いてはしごできる距離にある。イベントはそれぞれの制作現場を見てもらい、作家と触れ合って、陶芸に親しみを持ってもらうことが狙い。

東京出身で、4軒の中では最も早い約50年前に移り住んだ八十島さん夫妻は「当時はまだ馬車で粘土を運んでいるような時代だった」と振り返る。食器を主に制作している2人だが、棚に並ぶ器の絵柄になっているヤマブドウが、庭先で実際に実を付けていて、生活環境と作品のつながりに思いをはせることができる。

風の窯では陶のボタン造り体験を用意、樹窯では自家製あんみつなどのメニューを提供する「甘味茶屋」も設けている。

幹事の新井さんは「工房を見てもらうことで、どういう思いで作品を作っているのかを感じてもらえたらうれしい」と話している。

アトリエ公開は午前10時~午後4時。風の窯の住所は笠間市手越755の3。問い合わせは同窯(電)0296(72)5785。

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