【台風13号】茨城・日立2県道 23日再開 降雨時は通行規制 県内大雨2週間

応急復旧工事が完了し、通行止めが解除される県道日立山方線=22日、日立市宮田町

台風13号に伴う大雨被害から2週間となった22日、茨城県は土砂崩れで通行できなくなっていた同県日立市の「日立山方線」「十王里美線」の県道2路線の通行止めを23日午前6時に解除すると発表した。安全面を考慮し、一部区間で片側交互通行とするほか、一定量の降雨時には通行を規制する。

通行止めが解除されるのは、日立市と同県常陸大宮市を結ぶ日立山方線の8.3キロ区間と、日立市と同県常陸太田市を結ぶ十王里美線の5.4キロ区間。8日の大雨で土砂崩れが発生し、通行止めとなった後、土のうを設置するなど、土砂流入を防ぐ応急安全対策工事が続けられていた。

再開に当たっては、山の斜面で不安定な地盤も一部残っていることから、復旧工事が完了するまでの間、2県道とも一部区間を片側通行とする。さらに、1時間当たり4ミリの雨が確認された際は通行止めとなる。降雨による規制対象は、日立山方線が日立市宮田町の1.9キロ区間、十王里美線が同市十王町高原の1.3キロ区間。

日立山方線は、2021年の国の統計によると、1日の交通量が1万2千台を超えるなど、比較的利用者が多い。沿線に非鉄金属大手の工場や日立中央工業団地、常磐自動車道日立中央インターチェンジ(IC)などがあり、通勤通学や日常生活で重要な路線となっている。

今回の大雨で、県道や国道など県管理の計25路線28カ所で規制が行われた。2路線が解除されることで、まだ通行止めが続くのは、いずれも北茨城市の「塙大津港線」の11.4キロ区間と「山根大津港線」の4キロ区間の県道2路線となる。

22日までの大雨被害は、県災害対策本部によると、北茨城市の20代男性と日立市の40代男性の2人が死亡。河川氾濫などによる建物の浸水被害は11市町村で1600棟を超えた。

このうち住宅被害は床上浸水が7市村で640棟、床下浸水が11市町村で832棟。土砂崩れは全体で302カ所となった。

農業と林業の推計被害額は4億2700万円に拡大した。主に日立市で農地への土砂流入被害が広がったほか、新たにホウレンソウやチンゲンサイが枯れる被害が報告された。中小企業の推計被害額は16億9600万円となった。

避難所の開設は北茨城市の1カ所で、2人が避難を続けている。

■県内の大雨被害
死者 2人
軽傷 2人
住宅床上浸水 640棟
(北茨城287、高萩153、日立191、常陸太田2、ひたちなか2、水戸3、東海2)
住宅床下浸水 832棟
土砂崩れ 302件
避難所の避難者 2人
県まとめ22日17時現在

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