茨城大、県内の魚を初検査 処理水放出 トリチウム、基準値下回る

県内で水揚げされた魚のトリチウム濃度測定作業=水戸市文京

東京電力福島第1原発の処理水放出を巡り、茨城大は22日、茨城県内で水揚げされた魚に含まれるトリチウム濃度の分析検査を実施した。県内で水揚げされた魚の検査は初めてで、いずれも国が安全と定める基準を下回った。

検査は、同大大学院の鳥養祐二教授(56)が考案した「マイクロ波加熱法」で実施。同加熱法による検査では、期間を従来の約1カ月から1時間に短縮できるという。

この日は、日立市久慈町で水揚げされたユメカサゴ、ムシガレイ、メヒカリ、ドンコの4種類を検査。検出されたトリチウム濃度は、いずれの魚も放出前の海水に含まれる量と同程度だったため「放出の影響は見られない」(鳥養教授)と結論付けた。

同大では食品スーパーのヨークベニマル(福島県郡山市)からの委託を受け、海洋放出が始まった8月24日からトリチウム濃度の検査を連日実施している。

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