文化庁、京都移転から半年 地方目線の政策、道半ば

文化庁の京都庁舎で行われた銘板の除幕式=3月27日

 文化庁が京都市に移転して27日で半年となる。本庁機能を地方に移した唯一の中央省庁だが、移転の狙いである地方目線の政策立案は道半ばだ。懸念された他省庁との会議や国会議員への対応はオンラインを活用し、大きな支障は出ていないという。

 移転したのは政策課や文化財関係などの6部署。国語課や著作権課など7部署は東京の庁舎に残る。国宝指定などを答申する文化審議会は京都で開催し、リモートで参加する委員もいる。

 文化庁を所管する文部科学相への説明や、財務省との予算の打ち合わせもオンラインで実施。関係者によると、国会議員への施策の説明についてもオンラインでの実施に理解を得られている。ただ不慣れな議員もおり、東京勤務の職員が議員事務所にパソコンを持ち込み、オンライン会議の環境を整えるケースもあるという。

 政策課の篠田智志課長は「新型コロナウイルス禍にオンライン慣れした面はある。ただ対面でないと温度感が伝わりにくい場合は東京出張することもあり、使い分けることになる」と話す。

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