韓国と北朝鮮対立のまま国際大会 前回合同チームから一変

女子団体1次リーグに出場した北朝鮮の卓球チーム=22日、杭州(共同)

 【杭州共同】杭州アジア大会に参加した韓国と北朝鮮は、2018年の前回ジャカルタ・アジア大会では合同チーム「コリア」を組み金メダルも獲得した。南北融和と北朝鮮の非核化への期待が高まっていた5年前とは一変し、朝鮮半島は現在、南北の体制が互いに核で威嚇し合う緊張の中にある。南北チーム間の協力を模索する動きもなくなった。

 18年ジャカルタ大会は、同年4、5月の2回の南北首脳会談や6月の史上初の米朝首脳会談を受け、合同チームが実現した。朝鮮半島の緊張は緩み、韓国の当時の文在寅政権が目指した南北の「平和共存」が定着するかに見えた時期だ。東京五輪でも合同チーム出場を検討すべきだとの声が韓国で出ていた。

 しかし19年2月の2回目の米朝首脳会談が決裂して和解ムードは遠ざかり、韓国では北朝鮮に対し強硬な保守政権が誕生。北朝鮮は最近、韓国を目標に想定した核攻撃訓練を行ったと公言した。

 北朝鮮にとって国際総合大会への参加は18年のジャカルタ大会以来だ。選手らを取り巻く環境は激変した。

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