「認定」承認、支援充実へ 茨城・鉾田のNPO「キッズ王国」 寄付者に税制優遇

「認定NPO法人」に認められた「キッズ王国」が実施する子ども食堂事業=鉾田市当間

茨城県鉾田市で子ども食堂を運営する特定非営利活動(NPO)法人の「キッズ王国」(野村正満理事長)が、より公益性の高い「認定NPO法人」に承認された。同法人を支援する寄付者は、税制優遇が受けられるため、野村理事長は「寄付を集めやすくなる。さらなる支援を呼びかけたい」と話している。

同法人は、子どもが健全に成長できる環境をつくろうと、2019年2月に設立。自然体験事業などを展開し、現在は21年に開設した同市初の子ども食堂「タベルナ」の運営に力を注いでいる。

タベルナは、ギリシャ語で「大衆食堂」の意味。毎月第2、第4土曜日に同市当間の市社会福祉協議会で開催され、約100食の弁当を無料で提供するほか、さまざまな体験活動を実施している。運営費は、自治体からの補助金や寄付金で賄っている。

支援の輪を広げ、タベルナのさらなる充実を目指し、今年5月に県に「認定」を申請。認定を得るには、3千円以上の寄付者が法人の関係者を除き年平均100人以上いることなど厳しい基準があったが、これをクリアし、8月に承認された。

県内には800以上のNPO法人があり、そのうち「認定」を冠するのは、キッズ王国を含め17法人(8月1日現在)。社会的信用が増し、税制優遇が受けられる利点がある一方、適正な組織運営や情報公開が求められ、5年ごとに更新手続きが必要となる。

事務作業が増え、ボランティアで携わる役員の負担も大きくなる。野村理事長は「専従の人材を置くなど、体制を整備し、認定を維持していきたい」と力を込めた。

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