ヘルメット着用、高校生が鍵 自治体、購入補助も 自転車利用時、茨城県内2割

ヘルメット着用で自転車に乗る高校生たち=水戸市元吉田町

自転車利用時のヘルメット着用が努力義務になってから、9月末で半年を迎える。茨城県警が7月に実施した調査によると、着用率は21.3%と4月に比べほぼ横ばい。自転車通学の多い高校生は、着用率の高い学校はあるものの全体では10%未満。着用率向上には高校生への定着が欠かせなくなっている。

ヘルメット着用率の調査は7月、全国各地で実施。茨城県内では駅前やショッピングセンターなどで行われた。茨城県は全国平均の13.5%を上回り、全国で9番目に高かったものの、4月の調査(21.1%)との比較ではほぼ横ばい。全国で最も着用率が高かったのは愛媛県の59.9%で、23府県は10%未満だった。

高校生の着用率は、県保健体育課によると、県立高校の生徒で7.7%となっているが、学校によって大きく差があるのが実態だ。

県立水戸桜ノ牧高常北校(城里町)では現在、自転車通学者の約50%がヘルメットを着用。同校では、安全教室を実施したり、校内行事でヘルメット着用を呼びかけたりしているという。3年の菊池優斗さんは「頭部の損傷が死亡事故につながりやすいと聞いたので着け始めた」と話した。

県警によると、6~8月に自転車事故に遭った県内高校生49人のうち、ヘルメット着用者は6人と全体の12.2%。昨年に起きた自転車事故では、当事者の約4分の1が高校生。このため、県警は高校生への定着が着用率全体の向上や事故防止に欠かせないとみて、今年5月以降は県内27署の署長が管内の高校を訪問して着用を呼びかける取り組みも続けている。

自治体も着用率向上に向けた取り組みを加速させている。

「りんりんタウン構想」を策定した石岡市では、ヘルメット購入に使える上限2千円の割引券導入を決定し、11月ごろから配布を始める予定。市担当者は「市民の安心安全と自転車利用者への環境整備を『両輪』で進めたい」としている。

古河市では10月から市内在住の18歳以下と65歳以上を対象に、石岡市と同様の助成事業を導入する。

県警によると、7月末現在でヘルメットに関する補助事業があるのは県内8市町。ほかに、来年度に助成を検討している自治体もあるという。

県警は「学校への継続的な働きかけや駅周辺などでの街頭指導で、引き続き着用を促進していきたい」としている。

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