農水省は23日、東京・丸の内で「食から日本を考える。NIPPON FOOD SHIFT FES.東京2023」を開き、環境への配慮など食の課題解決に向け、消費者にできることを提案した。イベントは24日まで。
同省が2021年から展開する運動「ニッポンフードシフト」の一環として全国各地で開催。会場のステージでは、生産者や大学生、俳優の工藤阿須加さんらが食と農の未来をテーマに議論した。
2021年から本格的に農業に取り組む工藤さんは「異常気象で栽培が難しくなっている」と自身の体験を話した。工藤さんが農業を教わった、山梨県のファーマン井上農場の井上能孝代表は、日常の中で環境への配慮を意識する重要性を強調。「ストーリーを持たせて知ってもらうことが大切」とし、皇居で駆除した水草を堆肥に使った農産物を都内で販売する取り組みを紹介した。
京都芸術大学でデザインを学ぶ齋藤凪沙さんは「(生産者の)すてきな考えを、受け取りやすく興味を持ってもらえるようデザインの力で寄与していきたい」と提案した。
会場では荒川弘さんの農業エッセー漫画「百姓貴族」と連携したパネルも展示。食料自給率や規格外品などを若者にも分かりやすく解説した。
同運動の推進パートナーとして、JA全中の山野徹会長は「ニッポンフードシフトや国消国産のキーワードを見た際には、国産農畜産物を手に取ってほしい」とあいさつした。