阪神・近本選手が走った「近本ロード」、特製カード大盤振る舞い 踏破者に期間限定で 加東市観光協会

「近本ロード」踏破者に贈られる18種類のカード。裏面は踏破証明書になっている=加東市河高

 プロ野球セ・リーグを18年ぶりに制した阪神タイガース。近本光司選手が社高校時代に走った兵庫県加東市の三草山登山道を「近本ロード」としてPRしている同市観光協会(同市河高)が、お祝いムードをさらに盛り上げようと、踏破者に贈呈している特製カードの配布数を期間限定で倍増させている。今後、クライマックスシリーズ(CS)突破、そして日本シリーズ制覇ならさらに配布を増やす予定。同協会は「日本一を目指す近本選手を、大盤振る舞いで後押ししたい」と力を込める。(岩崎昂志)

 三草山は標高423.9メートルで、複数の登山道が整備されている。社高校出身の近本選手は当時、野球部のトレーニングで急坂や岩場が続く登山道を走った。この逸話に注目した同協会や同市が「近本ロード」と名付けて看板を設置し、昨年のシーズン終了後、登山道の踏破証明書を兼ねた特製カードの配布を始めた。

 カードは阪神球団公認で、デイリースポーツが2022年シーズンに撮影した近本選手のプレー写真9枚を使用。入団当時のサインを入れ、いずれも2パターンのデザインで計18種、計約1万枚を製作した。

 同協会は、三草山山頂で撮影した写真を見せた人にカードを1回1人1枚配り、交流サイト(SNS)で登頂写真を発信すれば1枚追加で進呈。これまでに10人ほどが18種を全て集めた。カード目当てに阪神間から訪れるファンもおり、今年9月に入ってからは「もうすぐ『アレ』やな」とそわそわしながらカードを求める人が増えたという。

 ついに18年ぶりのリーグVが決まり、歓喜に震えた同協会の阿江孝仁事務局長は「1登山1枚のルールを変えるのは迷ったが、今年は特別だから」と断を下した。CS期間中までは登山1回およびSNS投稿で各2枚、CSを突破したら日本シリーズ期間中まで同3枚、日本一達成ならその後1週間は同5枚を贈呈する考えだ。「一番景気よく配れる結果を期待したい。近本選手の強靱(きょうじん)な足腰を育んだ登山道をぜひ体験して」と、猛虎に願いを託しながら呼びかける。

 配布はカードがなくなり次第終了。今後、23年版のカード製作も検討されている。加東市観光協会TEL0795.48.0995

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