再生資源でランドセル 来年度の新入生に配布 茨城・笠間市、ペットボトル繊維

「エコランドセル」の見本を示す市教委の職員=笠間市役所本庁舎

茨城県笠間市は、来年度に市立小学校・義務教育学校に入学する子どもと、特別支援学校に入学する市内在住の子どもの全員に「エコランドセル」を無償配布する。製品が完成し、市役所本庁(同市中央)で見本が展示されている。丈夫さ、軽さといった機能面とともに、再生ペットボトルの繊維を使用し、環境に配慮しているのが特徴だ。

エコランドセルの無償配布は、市が本年度の三つの「重点プロジェクト」の一つである「笠間まるごと『子育て都市』宣言プロジェクト」に位置付け、新規の市単独事業として1090万円の予算を計上した。

市は、ビジネスバッグやスーツケースなどの製造卸会社、エース(東京)に製作を発注。その際、ペットボトルの再生原料化を手がけるジャパンテック(栃木県)が笠間市内の工場で製造した繊維原料を使ってもらうように条件を付けた。

仕上がったランドセルは、箱形のデザインで、色は「ジェンダーレスを意識」(市教委)し、ネイビー(紺)1色で統一した。サイズは幅26センチ、奥行き12センチ、高さ32センチ。重さは870グラムと1000グラム超ある一般的なランドセルよりも軽量だ。素材は東レ製の化学繊維が使われ、外側は「鎧(よろい)布」と呼ばれる超強度のポリエステル、内側にはジャパンテック製の使用済みペットボトルを原料としたリサイクル繊維を使っている。

機能面では、丈夫さと軽さのほかに、かばんの前面と側面、ショルダーストラップに反射テープが貼られ、ショルダーストラップには防犯ブザーの取り付け金具があるなど、安全確保や防犯面で工夫した。内部は、教科書やノートを入れるスペースと別に、クッション性のあるタブレット端末用ポケットも設けている。

エコランドセルの配布の方法と時期について、市教委は、来年1~2月に各学校ごとに開く「新入児童保護者説明会」の際に行うとしている。一方、各家庭で購入したランドセルを使いたいという場合は、それも認めるという。

見本の展示は10月末ごろまで行う予定だ。

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