M.マルケス、開幕以来の表彰台に歓喜「ゴールまで安定した走りができたことは、それ以上に大きな収穫」/第13戦インドGP2日目

 ブッダ・インターナショナル・サーキットで開催されている2023年MotoGP第13戦インドGP。9月23日にMotoGPクラスの予選とスプリントレースが行われた。レプソル・ホンダ・チームのマルク・マルケスは予選で6番手、スプリントレースでは3位表彰台を獲得。ジョアン・ミルは予選で5番手につけるもスプリントでは転倒リタイアとなった。

 アレックス・リンスの代わりに出場しているステファン・ブラドル(LCRホンダ・カストロール)は予選で21番手、スプリントレースは序盤の多重クラッシュで転倒リタイア。日本の中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は予選で15番手、スプリントレースを13位で終えた。

 前日のプラクティスでは、今季初の2台そろってQ2ダイレクト進出を果たしたレプソル・ホンダ。予選Q2では、ミルが今季自己ベストグリッドの5番手を獲得。マルケスも6番手に続き、ふたりが2列目に並んだ。 

 午後になって一時的に強い雨が降り、スプリントスタートはディレイ。初開催のサーキットで初めてのウエットコンディションになったことから、15分間のウエットセッションが行われ、13周を予定していたスプリントは、暑さも考慮され11周に減算してスタートが切られた。

 スタート時点では路面が完全に乾いており、グリッドに並んだ全員がスリックタイヤを選択する。周回数が減算されたことで、一段と激しい戦いになることが予想されたが、スタート直後の第1コーナーで多重クラッシュが発生する波乱の幕開けとなる。

 2列目と好グリッドからスタートを切ったマルケスとミルは上位をキープ。オープニングラップでは、マルケスとミルは順位を入れ替えるバトルを繰り広げながら、2番手を走るフランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ)を視界に捉える。

 レース後半にはペースを上げたブラッド・ビンダー(KTM)が後方に迫りるが、そのまま快調にラップを刻んだマルケスは、最終ラップで1分45秒257というレース中の自己ベストをマークし、ビンダーの追撃を振り切って見事3位でチェッカーを受けた。この結果、マルケスは開幕戦ポルトガルGP以来の表彰台獲得を果たした。

 チームメートのミルは、序盤からマルケスと競り合う展開となる。その後、4周目の第1コーナーでミスをして9番手までポジションを下げてしまう。その遅れを取り戻そうとペースを上げたが、第3コーナーで転倒を喫し、レースを終えることになった。

 ミルはスプリントで表彰台を手にすることはできなかったが、レプソル・ホンダ・チームのガレージのモチベーションは高く、日曜日の決勝では、この日の好走を再現する意気込みにあふれている。

 怪我で欠場しているアレックス・リンスに代わり、LCRホンダ・カストロールから出場しているステファン・ブラドルは、スタート直後の多重クラッシュに巻き込まれリタイアとなった。

 ブラドルは21番グリッドからスタート。しかし、前を走っていたライダーが第1コーナーで他車に接触して多重クラッシュが発生。転倒したブラドルに怪我はなく、明日の決勝レースに向けて気持ちを切り替えている。

 14番グリッドからスタートしました中上は、序盤10位争いを展開。マシンのパフォーマンスを引き出そうとしたが、路面コンディションに加えてタイヤにも難があり、13位でフィニッシュとなった。

■マルク・マルケス(予選:6番手、スプリントレース:3位)
「本当に重要な一日になった。そして、気分のいい一日だった。今日はグループと一緒にプッシュし、本当にすばらしい走りができた。特に、終盤は3番手をキープするために多くのリスクを負わなければならなかったが、最終ラップは自分のベストタイムをマークすることができた」

「また、スタートからゴールまで安定した走りができたことは、それ以上に大きな収穫だった。明日も同じようなレースをするのはとても難しいと思うが、この瞬間を楽しみ、モチベーションを高めていきたい。チームの継続的な努力に心から感謝したいね」

■ジョアン・ミル(予選:5番手、スプリントレース:リタイア)
「全体的にとても堅実な土曜日だった。今年最高のグリッドを獲得し、上位グループで走ることができた。スタートもうまくいき、序盤はすべてが順調だった。マシンのフィーリングはとてもよかったが、残念なことにミスをして転倒してしまった。チームのために結果を残すことは叶わなかったが、自分たちのポテンシャルを発揮できた。日曜日の決勝では、今日果たせなかったことを最後までやり遂げたい」

■ステファン・ブラドル(予選:21番手、スプリントレース:リタイア)
「転倒後、グラベルから立ち上がったときは、自分のミスだと思っていた。その後ビデオを見て、前にいたライダーが間違った動きをしていたことで多重クラッシュになったことを知ったよ。自分ではどうすることもできなかったこともわかった。彼を責めるつもりはない。これもレースだ。明日の決勝に向けて気持ちを切り替えるよ」

■中上貴晶(予選:15番手、スプリントレース:13位)
「トップ10を目標にスプリントに挑みましたが、結果的にトップ10に届かず残念でした。今日は、複数のコーナーで思うように走れず苦戦しましたが、明日の決勝に向けて、今日のデータをしっかり分析して問題点の解消に挑みたいです。ラップタイムでは上位に近づいてきました。明日はトップ10入りを目指してベストを尽くします」

マルク・マルケス(レプソル・ホンダ)/2023MotoGP第13戦インドGP2日目
ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)/2023MotoGP第13戦インドGP2日目
ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ)/2023MotoGP第13戦インドGP2日目
ステファン・ブラドル(LCRホンダ・カストロール)/2023MotoGP第13戦インドGP2日目
中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2023MotoGP第13戦インドGP2日目

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