環境相「電気の次」の有望エネ? 省内「ファンタジー」と困惑

就任記者会見に臨む伊藤環境相=14日、環境省

 伊藤信太郎環境相がCO2を出さない未知のエネルギー発見に期待を寄せている。大臣就任会見で環境とエネルギーの問題を同時解決できる「電気の次のエネルギー」と説明。「発見できると思う」と力説した。

 省内には「現実世界とは時間軸の異なる、いわばファンタジーだ」(幹部)と困惑が広がる。

 「電気の代わりに明るくしたり、温めたり、冷やしたり。そういうものをCO2を排出しない形でつくり出し、運び、蓄積できれば、環境問題とエネルギー問題は一挙に解決できる」。14日の就任記者会見の最終盤。伊藤氏は「(役人が準備した答弁用の)ペーパーには書かれていない私見」と前置きした上で自説を展開した。

 温暖化対策では熱や光などを生み出すために化石燃料ではなく電力を使う電化が重要とされる。電力は再生可能エネルギーからつくることが可能だ。

 日本はCO2排出が多い石炭火力に大きく依存し、風力や太陽光といった再生エネによる発電拡大が急がれる国の一つだ。環境省幹部は「夢のエネルギーの前に、まずは再生エネではないか」と首をかしげた。

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