負傷者続出もなんの、ダミアン今季初ゴールの川崎Fが新国立での“J”初勝利!湘南はクラブ記録更新54243人に白星届けられず【明治安田J1第28節】

明治安田生命J1リーグ第28節、湘南ベルマーレvs川崎フロンターレが国立競技場で開催され、アウェイの川崎Fが0-2で勝利を収めた。

前節の勝利、今節土曜日の結果を受け、勝てば最下位脱出のチャンスを得た湘南。クラブにとって24年ぶりとなる国立でのホームゲームには、ダイヤモンド柄の30周年特別ユニフォーム着用し、北海道コンサドーレ札幌戦と同じスタメンで臨んだ。

対する川崎Fは、火曜日にマレーシアで行われたAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の勝利メンバーから中盤のトライアングルを変更せず。代わりに、前線の顔ぶれを変えつつ、[3-5-2]のミラーゲームで真っ向勝負を挑んだ。

中盤の球際、裏への勝負と、随所で一対一のマッチアップが見られた序盤戦。湘南の推進力が優位に思われたが、チャンスを仕留めたのはアウェイチームだった。

11分、レアンドロ・ダミアンが奥野耕平のプレスを物ともせずに敵陣中央で収め、瀬古樹、脇坂泰斗とつないでスルーパスから左ポケットを陥れると、山田新が右足で対角へ流し込んだ。

川崎Fは直後にもロングカウンターからダミアンが決定機を迎え、反撃に転じたい湘南も16分にCKの二次攻撃から大橋祐紀の頭でゴールに迫る。

その中で、リードする川崎Fにアクシデント。佐々木旭が左のもも裏を気にして座り込み、20分に登里享平と交代となった。

それでも動じないのが川崎F。ショートパスを駆使して再び左ポケットを攻略し、ダミアンのおしゃれなヒールパスから古巣対戦となった瀬川祐輔が抜け出すと、シュートのために振りあげた左足が背後から寄せた小野瀬康介にヒット。一度は流されたものの、オンフィールドレビューの結果、川崎FにPKが与えられた。

右下隅を狙ったダミアンのPKはGK馬渡洋樹にストップされたが、VARチェックの結果、キック前にGK馬渡の足がゴールライン上から離れていたとして、やり直しに。39分、ダミアンは再びのPKをど真ん中へ豪快に蹴り込み、今シーズン初ゴールを挙げた。

判定は正しいながらも顔をしかめるしかない湘南は、ハーフタイムに奥野から田中聡にスイッチ。アンカーの守備強度を上げて攻勢に転じると、敵陣でのFKが増加し、65分にはボックス外右脇でのFKを杉岡が直接狙い、GKチョン・ソンリョンのセーブを強いる。

気を吐く湘南のゲームキャプテンは72分にも狭いエリアに侵入しての右足、これで得た左CKからヘディングとシュート数を重ねていく。

一方、川崎Fは車屋紳太郎も負傷で交代となり、登里を3バックの左に、橘田健人を左ウイングにするスクランブル状態に。代わって入ったマルシーニョは76分にGKをかわして流し込むが、湘南もキム・ミンテが見事なカバーで望みをつなぐ。

来場者数54243人と、ホーム開催試合としてはクラブ最多記録を更新した湘南は、終盤にかけてさらに攻勢を強めたものの、如何せんゴールが遠い。

対照的に川崎Fは、前線のタレントを生かして少人数でも攻め切り、92分にはCKから家長昭博のシュートがポストを叩くなど、したたかさを披露。守備陣に負傷者が相次ぎながらも、クリーンシートで締めくくり、第100回天皇杯決勝以来となる新国立でのJ初勝利を手にした。

湘南ベルマーレ 0-2 川崎フロンターレ

【川崎F】

山田新(前11)

レアンドロ・ダミアン(前39[PK])

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