ベゼッチが他を寄せ付けぬ独走優勝。クアルタラロは今季2度目の表彰台獲得/第13戦インドGP

 9月24日、2023MotoGP第13戦インドGPの決勝レースがブッダ・インターナショナル・サーキットで行われ、MotoGPクラスはマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)が独走で優勝を飾った。また、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)が3位でゴールし、今季2度目の表彰台を獲得している。

 決勝レースは、土曜日の予選Q1の転倒によりアレックス・マルケス(グレシーニ・レーシングMotoGP)が左の肋骨を骨折して欠場。ルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)もスプリントレースの1コーナーでのクラッシュにより、左鎖骨を骨折して欠場となった。

 レースは気温32度、路面温度37度のドライコンディションで始まった。なお、気温と湿度、初開催のサーキットであることを鑑みて周回数は3周短縮され、21周で行われている。ホールショットを奪ったのはスプリントレース勝者のホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)で、フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)が2番手につけていたが、マルティンがブレーキングミス。代わってトップに立ったバニャイアもマルコ・ベゼッチ(ムーニーVR46レーシング・チーム)にかわされ、2番手にダウン、マルティンが3番手に続く序盤となった。

 マルティンの後方にはマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)、ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、ジョアン・ミル(レプソル・ホンダ・チーム)が続く。

 トップを走るベゼッチは5周目を終えて2番手のバニャイアに対し1.5秒のアドバンテージを築いて、早くも独走状態。対して2番手はバニャイアとマルティン、そしてマルク・マルケスによる接戦となり、5周目にマルティンがバニャイアをかわして2番手に浮上した。

 バニャイアの背に迫っていたマルク・マルケスだったが、6周目の1コーナーでスリップダウンを喫する。マルク・マルケスはマシンを起こしてすぐさまレースに復帰したが、16番手に後退した。マルク・マルケスの転倒により、2番手争いはマルティンとバニャイアによる一騎打ちとなった。

 また、クアルタラロが4番手に、ミルが5番手に浮上。さらにミルの後ろには、レース中盤から後半に強いKTMのブラッド・ビンダー(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)が、12番手スタートから6番手に順位を上げていた。

 マルティンの背につけるバニャイアは、一時その差が開きつつあったが、14周目、再びマルティンとのギャップを詰めるとオーバーテイク。2番手に浮上した。しかしその翌周の15周目、5コーナーでバニャイアがまさかのクラッシュ。リタイアとなった。

 このクラッシュにより、マルティンが2番手にポジションアップ。そして3番手には、クアルタラロが浮上した。マルティンとクアルタラロとの差は1秒以上だったが、クアルタラロはその差を詰め始める。しかし残り4周、マルティンもペースを上げる。ふたりの差は再び1秒に開いた。

 ベゼッチは他を寄せ付けぬレースで、2位に8秒以上の差をつけて優勝を飾った。2位はマルティン。最終ラップの4コーナーでミスしてクアルタラロの接近を許したが、2位を守り切った。クアルタラロは3位で、第3戦アメリカズGP以来の表彰台獲得となった。

 4位はビンダー。ミルは残り3周でミスをしたためビンダーにかわされたが、5位に入った。今季自己ベストリザルトである。4番手走行中に転倒したマルク・マルケスは、9位でゴール。中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)は11位でレースを終えている。

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)

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