犬に絶対してはいけない『愛情表現』3選 間違っている伝え方で不幸にさせてしまうことも

1.片時も離れず一緒にいる

わんこは本来、群れで暮らす生きもの。それだけにひとりぼっちを嫌うため、飼い主さんが出かけようとすると追いすがる健気な姿に、「できるだけ一緒にいてあげたい!」と思う飼い主さんも少なくないはず。

もちろん、わんこのお留守番の時間は短いに越したことはありません。ですが飼い主さんがわんこのそばを片時も離れず、どこに行くにも何をするにも常に一緒というのもまたわんこにとって良いとは言えません。

分離不安や災害時のリスク

わんこと飼い主さんの距離があまりに近すぎると、わんこは飼い主さんの姿が見えないだけで、極度のストレスを感じてしまいます。結果、無駄吠えや破壊行動などの問題行動から、下痢嘔吐といった身体症状までさまざまな問題が現れます

これを分離不安と呼び、ひどい場合には動物病院での加療が必要になることも。また分離不安がひどく、飼い主さんと少しの間も離れられないとなると、災害時や冠婚葬祭時などの「どうしても一緒にいられないとき」に、わんこに多大な負担を強いることになってしまいます。

2.何でも食べさせる

愛犬と一緒に季節の食材を楽しみたい、旅先でその土地ならではの食べものを味わわせてあげたい、と願うのも飼い主さんの愛ですよね。

それ自体は間違っていませんが、「人間が食べておいしいから」「愛犬が欲しがるから」という理由で何でもかんでも愛犬に食べさせるのは、むしろ愛犬の寿命を縮める行為と言っても過言ではありません。

病気や肥満の原因に

人間にとってはおいしい食材でも、わんこにとっては有害である食材は多々あります。愛犬におすそ分けをしたいと思うなら、それらについての正しい知識をつけておかなければなりません。

また人間用に味付けされた食べものは、基本的にわんこに与えるべきではありません。塩分や油分の過剰摂取となり、わんこの内臓に負担がかかるのはもちろん、肥満の原因にもなります。その場の食欲や要求のために愛犬の健康を失っては、それは幸福とは言えないでしょう。

3.ワガママを全て通す

かわいい愛犬の行動はワガママすらも可愛くて、何をされても許したくなってしまう♡…という気持ちはわかりますが、だからと言って愛犬のワガママを全て通すことは愛情とは言えません。

問題行動がエスカレート

ワガママを常に通し、愛犬の要求に応えてばかりいると、愛犬の要求は徐々にエスカレートしていきます。結果として要求行動が目に余るものになり、無駄吠えで家族やご近所にまで迷惑をかけたり、人間の制御の効かない行動で異物を食べてしまい命にかかわる事態になってしまうかもしれません。また、飼い主さま自身が犬から攻撃されてしまうかもしれません。

最初は小さなわがままで済まされるかもしれませんが、やがて大問題に発展してしまう可能性があります。ワガママはある程度のところで線引きをし、いつも愛犬がワガママを通してしまうことがないようにしましょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?「愛犬のことを思って」の行動が裏目に出る場合もあることを認識し、少しでも心当たりがある場合には、考え方から改める必要があるかもしれませんね。

ただ甘やかすのではなく、「愛しているからこそ」の厳しさも時には必要なのです。

(獣医師監修:平松育子)

© 株式会社ピーネストジャパン