神奈川・真鶴町長が失職 住民投票でリコール成立

住民投票でリコールが成立し、記者会見で次期町長選に出馬しない意向を表明した松本一彦氏=24日夜、神奈川県真鶴町

 神奈川県真鶴町の松本一彦町長(57)が2020年、選挙人名簿を町長選に不正利用した問題で、松本氏のリコール(解職請求)の是非を問う住民投票が24日投開票され、賛成が過半数となりリコールが成立した。松本氏は失職し、町選挙管理委員会によると、11月に新たに町長選が行われる見込み。約3年の間に町長選が3度繰り返される異例の事態となった。松本氏は記者会見で次の選挙には出馬しない意向を表明した。

 松本氏は町職員だった20年に名簿を持ち出してコピーし、町長選で選挙はがきの宛名書きに利用した。初当選後に不正を認めて辞職し出直し選に出馬。他の複数候補に批判票が分散して再選を果たしたが、職員の退職が相次ぐなどし、町民らの政治団体がリコール運動を進めていた。

 町選管によると、リコールを巡る住民投票は賛成が2204票、反対が1378票となった。投票率は59.40%。

 総務省などによると、リコールが成立して首長が失職したのは2017年の静岡県河津町以来。

松本一彦氏

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