茨城・守谷にスポーツ拠点整備 ヤクルト球団と市民用併設

プロ野球ヤクルト2軍の施設を含む守谷市総合公園の予定地。常総運動公園(奥)と隣接する=守谷市野木崎

茨城県守谷市はプロ野球のヤクルト2軍の誘致に伴い、球団施設に市民向けの野球場やサッカー場などを併設した総合公園を整備することを決めた。場所は同市野木崎地区。隣接する既存の常総運動公園と合わせ、スポーツの一大拠点となる。10月にも球団側と基本協定を結び、整備を加速させる。球団施設は2027年1月の完成を予定する。

■スマートICも

新たな総合公園は広さ約20ヘクタールで、常磐自動車道守谷サービスエリア(SA)の西側に整備する。

公園は球団向けと市民向けの2エリアで構成。球団用のエリア(約7ヘクタール)はメインの野球場のほか、サブグラウンド、屋内練習場などを整備する。

市民用施設のエリア(約13ヘクタール)は隣接し、野球場やサッカー場、体育館、多目的広場、誰もが安心して遊べるインクルーシブ遊具広場、ランニングコースなどを予定する。同エリアについて、市は民間の資金とノウハウを生かすパークPFI制度を活用して進めたい考え。

既存の常総運動公園も隣接することになり、地域一帯は東京ドーム8個分に相当する広さ約38ヘクタールで、スポーツと健康増進の一大拠点となる。

近隣の常磐道守谷SAでは、自動料金収受システム(ETC)専用のスマートインターチェンジ(IC)の新設に向けて25年の着工を予定。開通後は総合公園の交通利便性がさらに高まる。

■来年夏にも着工

ヤクルトの2軍施設は現在、埼玉県戸田市の荒川河川敷にあるが、老朽化が進み、19年には大雨で浸水被害を受け、移転先を検討していた。

守谷市は都心から約40キロ圏にあり、常磐道の近くに広い土地が確保できるなどとして誘致に名乗りを上げた。22年5月、親会社のヤクルト本社を含めた3者間で2軍施設移転に向けた具体的協議を進めていくと発表した。

市は球団施設の移転に向けて総合公園整備を計画。市民の要望を受け、公式戦ができる市民野球場やグラウンドの整備計画を追加した。市民用施設の完成は球団施設の後となる見込み。

市は早ければ10月にも基本協定を締結し、年内にも都市計画を決定。来年夏には着工したいとしている。

■交流人口の拡大

プロ野球2軍は1軍選手の調整のほか、若手選手を育成する。新総合公園の隣接区域には、選手寮やクラブハウスなどを整備する予定。2軍本拠地での試合は年間60試合以上行われることから、市は交流人口の増加を期待する。

常総運動公園は体育館、プール、野球場、テニスコート、サッカー場、陸上競技場のほか、キャンプ場やドッグランなどを備え、現在も市内外から多くの利用者が訪れる。

市は球団誘致による交流人口の増加だけでなく、総合公園の整備により、スポーツの推進、市民の健康増進につなげる。

松丸修久市長は「プロ野球を通し、夢のある場所になる。市民の交流や健康のほか、経済効果も期待できる。しっかりと進めていきたい」と話した。

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