《どうしてこんなことに……》秦拓馬さんのでかバス実釣に付いていったら伝説級の釣果だった件について語らざるを得ない

その日は久しぶりの暖かい日だった。秦さんのテンションも高い。「今日でようやく五寒明けの一温目。シャローに上がりたくてウズウズしてる個体が一気に差してくる可能性も高いですね! ただ朝から午前中はかなり気温が低い……昼からはきっと!」リザーバー×岸釣りでかバスランガンスタイルを取材する、ただそれだけの日になるはずだった……。

●文:ルアーマガジン編集部

数日間燻ったバスが、釣行初日に食い気爆発!

現場へと向かう道中で見た気温計は5度を示す。4月後半ではあり得ない冬の数字に、秦拓馬さんは不安を隠せない……が、結果的に冒頭の言葉は予言とも取れる発言となったのだった。

数日間、冷たい雨と暴風が吹き荒れたコンディション。前日とは一変して天候は快晴ではあるものの、水況にはやや難を残す状態であることは否めない。

「まずは水を見て、釣りをしてみないことには次に繋がらない」

向かったのは、京都・奈良・三重の三府県ボーダー周辺に程近い幾つかのリザーバー群。どこへどんな順番で向かうのかは今後の展開次第だという。

― 複数ダム湖を存分に楽しめる京都・奈良・三重の県境エリア

今回はまず室生ダム、続いて青蓮寺ダム、さらに高山ダムなどへラン&ガン。京都・奈良・三重の県境周辺には他に布目ダムなど複数のダム湖が存在して、各所への移動はいずれも30分~1時間ほどで完結する好ロケーションだ。

室生ダム(奈良県)

2020年にバス釣りが解禁された近年注目のダム湖。ヘラブナやワカサギ釣りでも人気でいずれも岸釣りのみに限定。日釣り券1,000円は自販機で購入可能だ。

青蓮寺ダム(三重県)

ボート(エレキ限定)、岸釣り共に楽しめる老舗ダム湖。岸釣りの日釣り券は1,000円で、現場を回るスタッフから購入可能。古くからこの地に通う秦さんは年券(3,000円)を保持。

高山ダム(京都府・奈良県)

下流域は京都府、上流域は奈良県の2府県をまたいで流れ注ぐダム湖。今回は下流の木津川漁協エリアで実釣。日釣り券は900円で、オンライン(FISH PASS)購入も可能だ。

ここで結果から言ってしまおう。今回の釣行は近年稀に見る最高峰クラスの釣果を生み出した。

初日は朝マズメなしで6尾、2日目は早上がりも5尾。うち50アップの数は実に約半数の5尾!

秦さんの現場に対する鋭い洞察力、そしてルアーを始めとするタックルの適切なセレクトは行く場所行く場所で確実にフィット。究極の結果をもたらしていったのだ。

― 【42cm】まずは小手調べの1尾目リアクションで一閃

ブラストボーンJr.(ジャッカル)

前日までの降雨の影響で水温が上がり切らないシャローフラットの1歩手前を回遊する個体を一閃。コンタクト場で待ち伏せ、不意のダートによるリクアション戦略が奏功した。ディスラプションXXの高い操作性が躍動。

ブラストボーンJr. 150mm / 26g(ジャッカル)

まず初日のハイライトは、夕マズメ。前日から一変して好天候に恵まれたこの日は着実に水温を温めることを秦さんは予測。あるバックウォーターに到着するや、無数の小魚、そしてフィーディングで活性高まるバスを発見する。

「岸を見てエサを探しているバスがいますね」

秦さんは敢えてジグヘッドリグをキャストして岸に乗せる。着水させるや浅瀬で砂煙を出しながら泳がせるとスイッチオンで52cmを捕獲!

― 【52cm1,870g】活性最高潮前の午前はフィネスで様子見作戦

ドリフトフライ(ジャッカル)※ジグヘッドリグ

「まだ今イチ活性が高くないので」と、1尾目と同様により小型サイズのルアーでセレクティブなバスを誘う。繊細ティップで魔性のリズムを刻むポイズングロリアス273M+が釣行初日最大バスの口をこじ開けたのだった。

ドリフトフライ 3in(ジャッカル)

「さすがに同じ手には乗ってくれない。ならばUMA的なコレ」

続いて未確認生命体を彷彿とさせるオクトパスフリックのボトストで51cm! さらには場所を変え、またしても砂煙作戦で48cmを追加。実に、見事な展開だった。

― 【51cm】初日6尾。うち50UP3尾これはもはや春爆か!?

オクトパスフリック※フリックシェイク 5.8in(ジャッカル)×3本のジグヘッドリグ

天候回復により、秦さんが釣行前に語った通りの好釣果に恵まれた初日。水温高まる夕マズメに近付くほどに魚の活性は高まり、産卵後の個体が回復して盛んにエサを追っていた。

フリックシェイク 5.8in(ジャッカル)

「行く場所行く場所で魚に歓迎されました」

初日は、ミドストやホバストを始め繊細な操作性に長けるポイズングロリアス273M+での見せ場が多発。だが、2日目はもうひとつの今季最注目の新作ロッドが火を噴くことになった。

「昨日の2尾目を釣った青蓮寺のあの場所がどうしても気になる」

朝イチに向かったのは、橋下かつ、足下と数m先の壁が水中で切り立っている場所。流れがチョークして魚を集める場所にして、インサイドで流れを避ける好場所を形成している。

「今日は昨日からさらに水況は好転しているはず! 」

投入したのはディスラプション-78XXXXに組み込んだ、ダウズスイマー∞240SF。忍び足で岸へ寄り、橋脚方向へ難なくロングキャスト数投、沖の魚を呼び込むも反応なし。次に岸と平行に高速リトリーブするや、高速追尾する黒い影を発見! そして足下に寄せるや、水面を激しく8の字に攪拌するテクニックで応戦!

「壁際にいた魚が猛追してきて、食えるチャンスを仕掛けたら食ってくれましたね! 」

至近距離でのバイトを弾かず確実に乗せるや、一気に抜き上げ! 実測53cm・2110g。当釣行最大魚を仕留めることに成功したのだった。

― 【53cm2,110g】

ダウズスイマー∞240S(ジャッカル)

「海の大物でテストを繰り返してきたんで、2kg程度は余裕です」

ディスラプションの真骨頂、本領発揮。バスフィッシングの範疇を超えた壮絶なバトルに息を飲んだことは言うまでもない。

2日目のハイライトは朝イチに勃発したが、秦さんの見せ場はその後もなお続いた。その一部始終はぜひ動画でご鑑賞いただきたい。

― ダウズスイマーの釣果

【48cm】

ダウズスイマー 180SF(ジャッカル)

― ドリフトフライの釣果

【48cm】

【48cm】

【47cm】

ドリフトフライ 3in(ジャッカル)

― ヤミィフィッシュ3.8inの釣果

【48cm】

【51cm】

【40cm】

ヤミィフィッシュ3.8in(ジャッカル)

秦拓馬さん使用タックル

― 上〈ダウズスイマー∞240SFほか用〉

― 下〈ブラストボーン、ダウズスイマー180SF ほか用〉

― 上〈ピーストン用〉

― 下〈ミドスト用〉

※指定外は全てシマノ

秦拓馬さんのプロフィール

― 秦拓馬(はた・たくま)

国内最高峰トーナメントプロ、琵琶湖プロガイドを経て、現在は釣り界屈指のチャンネル登録者数を誇るYouTuberとして活躍中。国内外を股にかけた八面六臂の奮闘は観る者を魅了。多才多芸のプロ釣り師だ。


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