137年前の旅行再現 ダルマ自転車で長崎-横浜1500キロ 米国人2人、大冒険の始まり

ダルマ自転車で横浜を目指すナイトさん(右)とケネディさん=長崎水辺の森公園

 137年前、前輪だけが大きい“ダルマ自転車”で長崎から横浜まで1500キロの旅をした英国出身の米国人がいる。この日本初とされる自転車長距離旅行を再現する「プロジェクトダルマ」に挑む米国人2人が24日、長崎市を出発した。10月下旬の横浜到着を目指す。
 再現するのは、米サイクリング団体「ザ・ホイールメン」の元団長で米国在住のエリック・ナイトさん(55)。ナイトさんによると、1884~86年、冒険家トーマス・スティーブンスがダルマ自転車で世界一周。その際、上海から長崎に上陸し、約1カ月かけて日本を横断した。
 ナイトさんはダルマ自転車のレースにも出場している。大学の同級生で大分県杵築市在住のマーク・ケネディさん(55)が通訳兼助手として電動アシスト自転車で同行する。
 乗るのはスティーブンスと同じ型で前輪の直径は約137センチ。安全のため最新のブレーキや反射板を搭載した。最もこだわった部分は「スティーブンスの日記を参考に、なるべく同じ道を進む」(ナイトさん)。長崎街道、山陽道、東海道を通る計画。広島と愛媛を結ぶ瀬戸内しまなみ海道やシマノ自転車博物館(堺市)、富士山にも寄り道するつもりだ。
 「大冒険」と意気込むナイトさん。地域住民との交流も期待し、プロジェクトを説明するパンフレットも用意した。ケネディさんは「見かけたら、ぜひ応援を」と呼びかけている。

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