自転車通学にテスト、合格まで追試 茨城・神栖四中 安全意識上げ事故防ぐ

自転車通学の安全意識向上へ筆記テストを実施している神栖四中。写真は下校する生徒=神栖市大野原中央

「交通安全テスト(筆記)に合格できなかったら、追試通るまで自転車通学は駄目。徒歩で来ること」-。茨城県神栖市大野原中央の市立神栖第四中(米川貢喜校長)は、こんなユニークな自転車通学制度を実施している。同中の周辺は、狭い道路が碁盤の目のように走って見通しが悪く、抜け道として往来する車も少なくない。このような交通事情から、自転車の乗り方をしっかりと身に付け、自分の命を自分で守れるようにしてもらうのが狙いだ。

神栖四中は、自宅までの距離に関係なく自転車通学が可能で、多くの生徒が利用する。1年生は入学直後の4月に、県警神栖警察署員らによる「交通安全教室」を受け、その後、自転車通学が許可される。

そして「秋の全国交通安全運動」に合わせ、5年前から毎年実施しているのが交通安全テストだ。全校生徒が対象で、制限時間15分内に、交通安全指導で確認した基本事項から約20問が出題される。

合格ラインは9割とかなり高い。合格率は1年生で4割、2.3年生でも6割。かつて最後の1人が合格するまで追試を繰り返し、6回にも及んだことがあるという。

今年は10月2日にテストを実施する。3日以降に合否が発表され、不合格者はその翌日から徒歩通学に。追試はそれから2週間内に、2回を予定している。

生徒指導主事の犬塚将己教諭(46)は、テストの成果について、年間数件発生していた自転車と車の接触事故がなくなったこと、生徒同士の会話に交通安全の話題が上るようになったことを挙げた。それでも犬塚教諭は「交通安全意識は年々下がってきているように感じる。可能なら各学期ごとにテストを行い、交通安全意識の維持を図りたい」と話した。

© 株式会社茨城新聞社