タカ科のハチクマ 大陸へ渡り 国内最後の中継地・長崎県五島市 愛鳥家が集う

大陸に向けて飛び立つハチクマ=五島市、大瀬山上空

 長崎県五島市玉之浦町の大瀬山周辺で、中国大陸に向かうハチクマの渡りが観察されている。
 タカ科、体長約60センチ、翼を開くと幅約1.3メートル。ハチやその幼虫を主食にすることから名付けられた。
 夏に本州などで繁殖し、越冬するため中国を経て南アジアへ南下する。五島は国内最後の中継地とされ、例年9月中旬から10月上旬にかけて観察できる。多い日は1500羽を超え、今年は3800羽以上飛来した日もあったという。
 福江島最西端部の大瀬山山頂では24日、日の出から約50人が観察。群れが周辺の山から大海原に飛び立っていく姿がみられ、愛鳥家が盛んにカメラのシャッターを切っていた。初めて訪れたという川崎市の新谷耕司さん(67)は「間近で多くのハチクマの渡りを観察できるスポットは全国でもなかなかない。毎年来たい」と話した。

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