置いただけ 石並べて表現した名画 岡山・建部の三宅さん 5作品展示

石を並べて“描いた”作品を眺める三宅さん

 さまざまな石を並べて名画を表現する岡山市北区建部町の現代美術家・三宅優さん(70)の個展が、市環境学習センター「めだかの学校」(同建部町建部上)で30日まで開かれている。接着剤を使わず、ただ置いただけの“期間限定の美”が来場者の目を楽しませている。

 十数年前から、自宅庭や近所の河川敷から石を集め、サイズや色を使い分けて国内外の名画を手がける。今回は19世紀のフランスの画家ジョルジュ・スーラの代表作「グランド・ジャット島の日曜日の午後」「サーカス」「化粧する若い女」など5作品を展示。そばに原画の写真も掲示し、比較できるようにした。

 「グランドー」は約5万個の石を用いた縦1.8メートル、横2.7メートルの大作。画面手前の女性たちは黒く大きな石を、奥の人物や木々は薄い色の小さな石を並べて遠近感を出すなど工夫している。

 展示後は石を自然に返すといい、三宅さんは「環境に優しいアート。石が持つ風合いや意外性を楽しんでほしい」と話す。

 施設入館料(大人310円、小中学生100円、小学生未満無料)が必要。火曜休館。

© 株式会社山陽新聞社