「ホテルの部屋で隣からドンドン物音」 青葉被告、公安部の監視疑う

青葉被告

 36人が死亡、32人が重軽傷を負った2019年7月の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第9回公判が9月25日、京都地裁(増田啓祐裁判長)で開かれた。

 青葉被告は、事件前に京都に来てからの自身の行動について「公安部に監視されていると思っていた」と述べた。弁護側の質問に答えた。

 これまでの検察側の被告人質問で青葉被告は、自身を警察に監視させていたとする闇の人物「ナンバー2」の存在について、捜査段階で言及しなかった理由を「やはり日本の暗部、アンダーグラウンドの面なので、話しても自分の利益にならないと判断した」と述べていた。

 この日の公判で青葉被告は、事件前に京都に入って宿泊したホテルで、隣の部屋からドンドンとたたく物音がしたとし、「おそらく公安部ではないかと思った」などと振り返った。

 検察側は小説コンクールに落選したことで筋違いの恨みを募らせ復讐(ふくしゅう)を決意したと指摘。弁護側は事件当時、精神障害の影響で心神喪失や耗弱の状態だったとして無罪や刑の減軽を求めている。

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