マキロイが好きすぎて…ちょうど1年前から使用する岩井明愛の「スパイダーX」

ただいま絶好調の岩井明愛。クラブを簡単に替えない選手はやはり強い(撮影/服部謙二郎)

◇国内女子◇ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日(24日)◇利府GC (宮城)◇6569yd(パー72)◇晴れ(観衆6067人)

初日から首位を守る完全優勝を2週連続で成し遂げた岩井明愛。彼女が信頼をおく14本の中身をひも解いていこう。

ドライバーは昨年から使い続けているヨネックスの「EZONE GT 450」。「オートマチックに動かせて、真っすぐ飛びやすいヘッド。ネックのポジションがノーマルだと少し右に出やすかったので、フック気味に調整しています」とは、岩井のクラブ担当者。

これまでも他のヘッドを試すことはあったが、結局GT 450以外には目移りしなかった。「真っすぐ行っていますし、球も飛ぶので。ずっと使っている信頼感もあると思います」(同担当)と、しばらくレギュラーの座は変わらなそうだ。

ヨネックス EZONE GT 450(ロフト9度)。ネック調整でつかまりのよい設定に(撮影/服部謙二郎)

アイアンの使用歴はもっと長い。「EZONE CB511フォージド」は学生の頃から使っているセット。「クラブにはある程度のつかまりを求めるタイプ。決して難しいクラブではなく、その中でも彼女がアドレスをとりやすいように調整しています」(同担当)。岩井本人もその構えやすさがお気に入りで、「カオがいいからイメージ通りに構えられます。さらに球も上がってくれる」(岩井)と全幅の信頼をおいている。

前週「住友生命Vitalityレディス 東海クラシック」からの変更点として、5番ウッドを抜いてCB 511の4番アイアン(~PW)を入れた。それ以外にも「EZONE FS アイアン」というフィッティングスタジオ限定のやさしいヘッド(5I)を入れていて、5番アイアン2本体制を継続している。同社担当は「最近は5番ウッド、FSの5番と6番アイアン、CBの4番アイアンの4本から、ショートホールの距離や使うコースに合わせて2本を選んでいます」と説明。ミヤギテレビ杯にはCBの4IとFSの5Iが選ばれたわけだ。

「EZONE CB511 フォージド」の7番。岩井好みのつかまりの良い顔立ちに(撮影/服部謙二郎)

3番ウッドも14本の中の欠かせない一本で、「EZONE GT 3D」のロフト14.5度を愛用中。同担当は「ヘッドの小ささが特徴で、いい意味で何でもできるスプーンです」と話す。「飛ばして良し、吹かせて良し」と岩井本人も万能ぶりを気に入っているそうで、「女子プロで“球を吹かせる”という表現はなかなか聞かないですが、彼女はやっぱり縦距離も横幅も含めて球をコントロールすることがうまい」と担当者も顔負けの技量を持つ。

「EZONE GT」の3番ウッド。真芯にある打痕が印象的(撮影/服部謙二郎)

そして、もはや彼女の代名詞と言ってもいいほどに定着したのが、ちょうど1年前のミヤギテレビ杯から使い始めたテーラーメイドの「スパイダーX」パターだ。ヘッドは小ぶり、かつネックがショートスラントで、スパイダーの中でも操作性の効くモデルとしてプロの間でも人気が高い。

使い始めたきっかけは、同モデルのヘッドを使うロリー・マキロイ(北アイルランド)の影響。「マキロイさんのスイングとかパターの打ち方が好きなので、マキロイさんが使っているからというのが大きい」(岩井)と、その背景には憧れの存在があった(※マキロイは日本未発売の「スパイダーX ハイドロブラスト」を使用)。アマチュア時代に使うことが多かったというブレード型のパターに比べて急にヘッドが大きくなったわけだが、「違和感なくいけました。逆にイイ感じというか、元々使ってみたかったものあって気分転換になりました。そこから成績もだんだん良くなってたので」(岩井)と、確かにこの1年間の右肩上がりの成績はスパイダー抜きでは語れないだろう。

「テーラーメイド スパイダー Xカッパーホワイト スモールスラント」。使い始めてちょうど1年目(撮影/服部謙二郎)

実は、人知れずマキロイの打ち方も真似していたという。「最近マキロイのYouTubeを見ていて、めっちゃ(パットが)入っているなという印象で。しかもかっこいいし…。ちょっと真似したんです」と、「日本女子プロゴルフ選手権」の期間中にマキロイの打ち方をしていたという(気づいた方はいただろうか)。

「でも結局、距離感が合わなくなってしまって、自分のリズムでやることにしました」と、今はこれまでの打ち方に戻した。マキロイもたまにスコッティキャメロンのピン型を使っているが、「スパイダーを使っているマキロイさんが好きです」。他のパターは試すことすらしていないようで、「しばらくはパターを替えるつもりはないです」とキッパリ宣言した。

憧れのマキロイ同様に、“常勝”の気配すら感じる岩井。この先あと何勝を挙げるのか。

岩井明愛の最新クラブセッティング(練習日撮影のため5W入り)(撮影/服部謙二郎)

<岩井明愛のクラブセッティング>
ドライバー:ヨネックス EZONE(イーゾーン)GT 450(9度)
シャフト:ヨネックス REXIS KAIZA(レクシス カイザ)-M(長さ45.75インチ、重さ60g台、硬さS)
グリップ:パルマックス

フェアウェイウッド:ヨネックス EZONE(イーゾーン)GT(3番Dタイプ14.5度)
シャフト:ヨネックス REXIS KAIZA(レクシス カイザ)-M(重さ60g台、硬さS)

アイアン:ヨネックス EZONE(イーゾーン)CB511 Forged(4番~PW)、ヨネックス EZONE(イーゾーン)FS(5番)
シャフト:4番~PW/日本シャフト NSプロ 950GH neo(硬さS)、5番/ヨネックス REXIS KAIZA(レクシス カイザ)-i

ウェッジ:ヨネックス EZONE(イーゾーン)W501(50、54、58度)
シャフト:日本シャフト NSプロ 950GH neo(硬さS)

パター:テーラーメイド スパイダーX カッパーホワイト スモールスラント

ボール:ダンロップ スリクソン Z-STAR XV

ヨネックス EZONE W501(50、54、58度)(撮影/服部謙二郎)
スリクソン Z-STAR XV(撮影/服部謙二郎)

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