「インボイス」中止求め集会 首相官邸前でフリーランスら

消費税のインボイス制度の中止を求める人たち=25日午後、首相官邸前

 10月から始まる消費税のインボイス(適格請求書)制度の中止を求めるフリーランスらは25日、首相官邸前で集会を開き「実質的な増税だ」などと抗議の声を上げた。

 集会は「インボイス制度を考えるフリーランスの会」が主催。会のメンバーが「岸田文雄首相の耳に『ストップインボイス』の声を届ける」とあいさつすると、参加者から拍手が起こった。

 その後、食事宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員らが次々と発言。マイクを握った漫画家の由高れおんさんは、制度により減収が見込まれるとして「アシスタントは夢をかなえる前に辞めてしまう」と訴えた。

 集会では、会が21年12月からインターネットで開始した反対署名が50万筆超集まったことも報告された。

 インボイスは、事業者間の取引で商品の売り手が消費税の適用税率や税額などを記載した請求書を買い手に発行する制度。

 発行には税務署への登録が必要。売上高が年1千万円以下の「免税事業者」が登録した場合、インボイスを発行できる「課税事業者」となる代わりに、新たな税負担が生じる。

消費税のインボイス制度の中止を求める集会で発言する参加者=25日午後、首相官邸前

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