Vol.74 DJI Mini 4 Proレビュー!Miniシリーズの魅力そのままに最新フォーマットにアップデート[Reviews]

コンパクトかつ高画質がウリのDJI Miniシリーズに最新バージョン「Mini 4 Pro」がついに登場!DJI最軽量空撮ドローンが最新フォーマットにリニューアルされました。今回はこのMini4 Proをさっそくレビューしていきます。

DJI Mini 4 Pro の主な特徴

DJI Mini 4 Proの主な特徴をまとめると下記のとおり。旧Mini 3 Proからの進化はもちろん、上位機種Air 3同等の機能を多く取り込んでいます。

  • 4k/60p のHDR(ハイダイナミックレンジ)撮影(Mini 3 Pro のHDRは4k/30p)
    明るいところが白飛びせず、暗いところが黒くつぶれないHDR撮影に4k60pが対応。Miniシリーズとは思えない高画質撮影が4k60pでも可能になりました。
  • D-Log M / HLGの高画質録画モードに対応(Mini 3 ProはD-Cinelikeのみ)
    さらなる高画質を実現するLog撮影についにMiniシリーズも対応!映画のような質感の高画質撮影も楽しめます。
  • 全方向障害物検知(Mini 3 Proは前方・後方・下方)
    上位機種Mavic 3シリーズやAir 3にも共通する魚眼レンズ型障害物検知センサーで全方向の障害物を検知します。
  • 最大10kmとさらに干渉に強くなった映像伝送(Mini 3 Proは8km)
    映像伝送システムもO3から進化したO4に。電波干渉の強いエリアでも安定の映像伝送を実現します。
  • 縦向き撮影&あおり画角はMini 3 Pro から継続
    Miniシリーズのアイデンティティとも言えるSNS用縦向き撮影ももちろん搭載。意外と便利なカメラが60°上向きになるあおり画角撮影も。

DJI Mini 4 Pro の機体外観

次に、機体外観を見ていきたいと思います。やはり特徴的なのは全方位障害物検知が可能となった魚眼レンズ型カメラセンサー。カエルのような正面デザインがよりカエルっぽく可愛く(?)なりました。

また、機体底面の低空時に高度を測るToFセンサーが大型化されたり、薄暗い環境での低空安定飛行をサポートする底部補助ライトが搭載されたりと、低空での飛行安定性向上のブラッシュアップがうかがえます。

Miniシリーズのスタイリッシュ&コンパクトなデザインはそのままに、360°障害物検知センサーが搭載された
カメラまわりのデザインは変わらないが魚眼の障害物検知センサーが若干外向きに付いている
魚眼の障害物検知センサーが前向きと後ろ向きに搭載される
後ろ向きの魚眼障害物検知センサー
機体下面には広角障害物検知センサー(ポジショニングカメラ)と大型化されたToFセンサー(中央上の黒い部分)と補助LEDライト(中央の黄色いもの)が搭載される
DJI Mini 4 Pro(左)とMini 3 Pro(右)の比較。魚眼の障害物検知センサーにともない、さらに流線型のデザインになった ※Mini 4 Pro中央の白いラベルとMini 3 Pro上部の黄色いラベルは機体識別番号の表示ラベル
DJI Mini 4 Pro(右)とMini 3 Pro(左)の正面からの比較。Mini 3 Proは前方の広角障害物検知センサーが正面を向いているが、Mini 4 Proの魚眼障害物検知センサーは少し外側を向いて広範囲の障害物を検知する
DJI Mini 4 Pro(右)とDJI Mini 3 Pro(左)の機体底部比較。Mini 3 ProはToFセンサーが小さく、補助LEDライトもない
DJI Mini 4 Proにはフロントアームに"脚"が復活した(Mini 3 Proには脚がない)
バッテリーはDJI Mini 3 Proとも共用のもの。ほかのオプションパーツも多くが共用できる
プロポはO4映像伝送システム対応のDJI RC2。従来のDJI RCになかった物理的なアンテナパーツが搭載されている

DJI Mini 4 Proで空撮してみた

低空時の安定性向上が図られたと思われるセンサー類の効果を見るべく、まずは軽く地上1mほどの低空高度でホバリングしてみましたが、横風が1m/s弱吹く夕方の体育館でもぴったりとホバリング!

続いて9mほどの高度でホバリングしながら真俯瞰で撮影をしてみても映像はピクリとも動かず、まるで固定カメラのようでした。これならば安定した空撮映像や写真を撮ることが簡単にできそうです。

また、DJI Mini 4 Proの動画撮影は、4k60pでもHDR撮影ができるようになったのも今回のアップデートの目玉のひとつです。HDRとは、ハイダイナミックレンジの略で、明暗表現の幅を広く撮影できる技術のことです。明るいところが白飛びしにくく、暗いところも黒く潰れにくいため、肉眼で見た印象に近い映像を撮影することができます。

そこで、Mini 4 Pro とMini 3 Pro(4k60p HDR未対応)を用いて同じ画角の映像を同じ時間帯に撮影・比較してみました。

Mini 4 Pro(4k60p、設定オート)による撮影動画のキャプチャ。メリハリの効いた美しい夕景が撮れた
Mini 3 Pro(4k60p、設定オート)による撮影動画のキャプチャ。本来は暗いはずの地上付近を黒く潰さないためか全体的に明るめの映像となっており、夕日周辺が広く白飛びしている。また、地上付近をよく見るとノイズが多いのもわかる
地上付近の拡大画像。Mini 4 Proは暗い環境の中にもメリハリがありノイズも少ないが、Mini 3 Proは全体的にうす明るくノイズも多い

特にPCなどの大きな画面で4K再生するとその違いがよくわかるかと思います。ただ、今回はあえて新しくHDR撮影に対応した4k60pでの撮影比較としましたが、Mini 3 Proも4k30pはHDR撮影できるようになっていますので、このような明暗差の大きな景色などを撮影する際には4k30pに設定するなどすれば、同じような画質を得ることができます。

Miniシリーズの特徴・縦向き動画&あおり撮影機能も引き続き搭載

Miniシリーズの特徴といえば、やはりSNSにそのままアップできる縦向き動画撮影と、カメラを60°上方に向けて撮影できるあおり撮影です。これらの特徴はDJI Mini 4 Proでもしっかりと受け継がれています。

手軽に妥協のない高画質と安定性を手に入れられるDJI Mini 4 Pro

今回のDJI Mini 4 Proのデビューで上位機種からMiniシリーズまで最新フォーマットに全て更新されました。どれを選ぶかとても悩ましいところですが、DJI Mini 4 Proはあまり遠く(高く)飛ばすことがなく、手軽に持ち運びたいユーザーにはぴったりの空撮ドローンではないでしょうか。4k60p HDR撮影やD-Log Mなどの高画質撮影や、360°障害物検知などの妥協のない機能性はストレスなく空撮を楽しむことができるかと思います。

また、画角の違うレンズを楽しみたい、少し離れた(高い)ところまで飛ばしながら空撮したい、というちょっと本格的なユーザーは先日発売されたDJI Air 3がおすすめです。

https://www.drone.jp/column/2023072710172070206.html https://www.drone.jp/column/2023080816443770743.html

Mini 4 Pro よりも少しお値段が上がりますが、より安定した、バラエティに富んだ画角の撮影をすることができます。

この悩む時間も楽しいのがドローンの魅力的なところ。ぜひ、一度手にとってご自分にあった最高の機体を見つけてみてください。

© 株式会社プロニュース