
Nick Carey
[ロンドン 25日 ロイター] - 日産自動車は25日、欧州で投入する新型車は今後全て電気自動車(EV)とし、2030年までに欧州での販売をEVのみとする方針だと発表した。
日産の内田誠社長兼最高経営責任者(CEO)は声明で「もう後戻りはできない」とした上で、「日産は30年までに欧州で完全に電気自動車に切り替える。それが私たちのビジネス、お客様、そして地球にとって正しいことだと確信している」と表明した。
欧州向けにすでに決定している2つのEV新型車の1つは、英北部サンダーランド工場で生産されるとした。
各自動車メーカーは、英国の欧州連合(EU)とのブレグジット協定で合意された「原産地規則」に従わなかった場合、早ければ来年1月にもEUと英国間で取引されるEVに10%の関税がかかる可能性があるとして不満を表明している。
しかし、日産のAMIEO(アフリカ・中東・インド・欧州・オセアニア)マネジメントコミッティー議長であるギョーム・カルティエ氏は、サンダーランドで生産される車はこれらの規則を満たすと記者団に語った。
日産は今年、EV車種の目標を引き上げ、30年までに19のEV新型車を投入すると発表。テスラなどの新興企業が強い部門での巻き返しを図っている。
コンセプトEVを発表した後、内田CEOはロンドンで記者団に対し、これらのEVのうち最初の新型車がいつ発売されるかについては明言を避けた。
日産はまた、26年度(27年3月31日終了)までに欧州での販売の98%を電動化、つまり完全なEVか、大型バッテリーと内燃機関の両方を搭載したハイブリッド車にすると発表していた。
30年までに欧州で完全にEVとするという今回の新たな目標により、日産は連合を組む仏自動車大手ルノーと歩調を合わせる。
内田氏は中国自動車メーカーとの低価格競争の中で、電動化に多額の投資を行いながら、自社のコストを押し下げる努力をしていると語った。
「多くの競争が起こっている。中国(の自動車メーカー)が大規模に参入してきている」とした上で、「中国勢はわれわれの予想よりもずっとずっと速く動いている」と述べた。