伊達男といえばロバート・パーマー!それともブライアン・フェリーか福山雅治か?  9月26日はロバート・パーマーの命日です。

__共有感満載の80年代洋楽ヒット!ビルボード最高位2位の妙味 vol.59 I Didn’t Mean To Turn You On / Robert Palmer__

イギリスを代表する “伊達男” ロバート・パーマー

70年代から90年代初頭にかけて、個性的なヒットソングを多く残しているイギリスの男性シンガー、ロバート・パーマーを覚えている方は結構いるのではないだろうか。彼のキャリアのピークと言える80年代中盤期から80年代後半期の大ヒット曲は、アーティストの知名度以上に、意外にも共有感の高い作品があったりする。

ところで昭和を代表する “伊達男” といえば、加山雄三や石原裕次郎を筆頭にいくつかの日本人タレントが思い浮かぶ。ではイギリスを代表する “伊達男” はというと… ブライアン・フェリー(ロキシー・ミュージック)と、ロバート・パーマーが双璧と言えるだろう。

この『ロバート・パーマー=伊達男』のイメージは、とにもかくにも彼の最大のヒットソングとなった全米ナンバーワン・ソング「恋におぼれて(Addicted To Love)」(86年1位)によるところが大きい。本 PV に登場するロバートは、最上級のいい女をバンドメンバーとしてはべらせて、時にコミカルに映るほどに徹頭徹尾(頭から最後まで)“伊達男” を演じきっているのだ。

37歳。男の色気、最高潮、「ターン・ユー・オン」

この「恋におぼれて」からおよそ半年後、PVが “伊達男パート2” 的仕様になったヒットソングが、80年代57番目に誕生したナンバー2ソング「ターン・ユー・オン(I Didn’t Mean To Turn You On)」(86年11月2位)だ。

美女軍団たるバンドメンバーに、白ドレスに身を包んだダンサー軍団までもが加わり、「美女はべらせ度数」が上がっているのだから、その伊達男っぷりはさらに徹底されていた。

ロバート・パーマー、37歳。男の色気、最高潮といったところか。

2003年、54歳の若さで心臓麻痺によってこの世を去ったロバート

ところでこの「ターン・ユー・オン」は元々女性 R&B シンガー、シェレールが84年に発売していたダンスヒット。パーティの帰りに家まで送ってくれた男が、「送ったんだからちょっと部屋にあがっていい?」と懇願するのに対して、「あら、私そんなつもりじゃなかったの、ごめんなさいね」とクールに振る舞う女性目線の作品だった。これをロバートは、男女逆転させて、男性目線で歌ったわけで、これはもう伊達男っぷりマックス状態でしょ!

「部屋にあがりたい」なんて言ってくれる女性に、「そんなつもりじゃなかったんだよね、ごめん」なんてセリフを言える男… そんなの福山雅治かロバート・パーマーくらいしかいないよ!

その後2003年、54歳の若さで心臓麻痺によってこの世を去ったロバート。伊達男は、長生きできないってことなのだろうか…

2019年1月19日に掲載された記事をアップデート

カタリベ: KARL南澤

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