9月25日(月)東京六大学野球秋季リーグ戦 法大3回戦 @明治神宮野球場
1勝1敗で迎えた法大3回戦。慶大の先発マウンドにはエース・外丸東眞 (環2・前橋育英)が上がる。外丸は初回から三者凡退とテンポの良い投球で上々の立ち上がりを披露。その後も法大打線を完璧に封じ込め、9回まで無失点の快投。一方、打線は法大先発・篠木健太郎(営3・木更津総合)を前に攻めあぐね、9回まで二塁すら踏むことが出来ず、試合は0-0のまま延長戦へと進む。慶大は延長10回に2死一、二塁、延長11回に2死満塁と2イニング連続で得点の好機を迎えるも、いずれもあと一本が出ず。さらに12回の代打攻勢も実らず、打者陣がつながりを欠き、試合を通して無得点に終わった。外丸の11回142球無失点の熱投、谷村然 (環4・桐光学園)の好救援も打線の援護なくスコアレスドローとなり、勝ち点獲得の行方は4回戦の結果次第となった。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 計 慶大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 法大 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0 0
◆慶大出場選手
打順 選手名 [8] 吉川海斗(法4・慶應) [3] 廣瀬隆太(商4・慶應) [5] 本間颯太朗(総3・慶應) [9] 栗林泰三(環4・桐蔭学園) [2] 宮崎恭輔(環4・國學院久我山) [7] 斎藤來音(環4・静岡) [6] 水鳥遥貴(商3・慶應) H 佐藤一朗(商4・慶應) R 横地広太(商1・慶應) 6 上田太陽(商1・國學院久我山) [4] 斎藤快太(商3・前橋) H 小川尚人(環4・三重) 4 新井朝陽(環3・三重) [1] 外丸東眞(環2・前橋育英) H 善波力(商4・慶應) 1 谷村然(環4・桐光学園)
慶大バッテリー:外丸、谷村ー宮崎
法大バッテリー:篠木、尾﨑、塙、吉鶴ー吉安
慶大本塁打:なし
立大本塁打:なし
1勝1敗で迎えた法大3回戦。前の試合で明大が早大を2-0で下し、2カード連続の勝ち点を獲得。試合前時点で明大が勝ち点を2とし、単独首位に躍り出た。明大の独走、4季連続優勝を防ぐべく、慶大にとって落とすことができない一戦となった。慶大の先発マウンドには絶対的エース・外丸が上がる。外丸はストライク先行の投球で初回の法大打線を13球で片付け、上々の立ち上がりを披露。一方、法大の先発マウンドには自己最速157キロを誇る剛腕・篠木が上がる。篠木も初回から気迫溢れる投球で慶大打線を三者凡退。投手戦の始まりを予感させる両エースの圧巻の立ち上がりとなった。
その後、外丸は2回、5回、6回に走者を背負うものの要所を締め、6回まで被安打わずかに3、無失点と安定した投球を見せる。一方、外丸の好投に応えたい打線だったが、篠木の前に沈黙。走者を出しながらも後続が続かず、二塁すら踏ませてもらえない展開となる。
両校のエースは高レベルな戦いを披露
0-0で迎えた7回からの終盤戦、ここからは両エース意地のぶつかり合い。表に篠木が三者凡退で抑えれば、裏は外丸も三者凡退に抑え返し、両者一歩も譲らない見応えある投手戦が繰り広げられる。そして迎えた9回、慶大は1番から始まる好打順も、篠木の前に三者連続三振と得点を奪えず。その裏、法大も1番からの好打順となるも、外丸が140キロを超える直球で封じ込め無得点。9回を0-0のスコアレスで終え、試合は延長戦へと進む。
延長10回表、何とか反撃に出たい慶大打線だったが、100球を優に超えたにも関わらず、152キロの直球を投げ込む衰え知らずの篠木を前に簡単に2死を奪われてしまう。この回も三者凡退で終わるかと思われたが、2死から齋藤來音 (環4・静岡)が右中間を破る二塁打で出塁し、慶大はこの試合初めて得点圏に走者を置く。その後、水鳥遥貴 (商3・慶應)が四球でつなぎ2死ながら一、二塁と絶好の好機を作り、打席には斎藤快太 (商3・前橋)。待望の先制点が期待されたが結果は三直となり、これには斎藤も天を仰ぎ悔しさを滲ませた。外丸は延長10回裏のマウンドにも上がり、二塁に走者を背負いサヨナラのピンチを招いたが、自身の好守も光り見事無失点に抑える。
チーム唯一の二塁打となった
11回表、法大は先発・篠木から尾﨑完太(キャ4・滋賀学園)へと継投。慶大は10回同様、2死から二つ四球と安打で満塁とこの試合最大の好機を作る。法大は3番手として塙雄裕(法4・常総学院)を投入し、打席にはこの試合1安打を記録する宮崎恭輔 (環4・國學院久我山)。外丸の好投を支える女房役の値千金の一本が期待されたが、塙の変化球にバットが空を切り空振り三振。慶大は2イニング連続で先制の好機を生かしきれなかった。その裏、好機で得点が出来なかっただけに注意したい法大の攻撃であったが、外丸はそんな心配をもろともせずテンポ良く三者凡退に抑え、最終12回の攻防へと移る。
12回表、慶大は一発が期待される佐藤一朗 (商4・慶應)や善波力 (商4・慶應)などを代打として送るも得点には結び付かず、12回表を無得点で終える。こうなれば引き分けとし、何とか4回戦へと持ち込みたい慶大。12回裏のマウンドには2番手・谷村が上がる。法大クリーンアップとの対戦となるも、二者連続空振り三振を含む三者凡退できっちりと試合を締め、法大との3回戦は0-0のスコアレスドローとなった。
凄まじい投手戦となった3回戦。慶大先発・外丸は11回を142球、5被安打、4奪三振、無四死球、無失点とエースたる所以を見せつける投球を披露した。この外丸の熱投があったからこそ、打撃陣の9残塁が悔やまれるところ。法大1回戦でも大量得点ながら10残塁が課題に上がり、打撃陣が決定打を欠いている。4回戦では打線のつながり、得点圏での勝負強さに期待するとともに、勝ち点を獲得し首位・明大に追随してほしい。
(記事:金子拓登、写真:佐藤光)