消化は胃と小腸で約2~4時間、大腸で約15時間!消化されにくい食べ物はどのくらいかかる?【図解 解剖学の話】

食べ物の消化と吸収の旅は約1日

消化の役割を担うのは口、胃、小腸

食べたものを、器官のはたらきや消化液による化学反応によって、体に吸収しやすい形に分解することを消化といいます。ヒトが消化を行なうのは、食べ物に含まれる栄養素の成分(分子)が大きすぎると、吸収することができないためです。そして、吸収できる状態や物質に変える(消化する)ために働いているのが、口や胃、小腸といった器官です。食べ物は口に入り、歯で噛(か)み砕かれたのち、唾液と混ざり、食道を通り、胃に向かいます。胃のなかで一時的にためられた食べ物は、胃液と消化液によって消毒・殺菌され、ドロドロの粥(かゆ)状になります。胃で粥状にされた食べ物は、体のなかで最も長い消化と吸収の親玉である小腸へと送られます。食べ物のなかの栄養分は小腸のはじまりである十二指腸で分解され、体に吸収されやすい形になります。

小腸で効率よく消化吸収され、大腸へ

小腸で体内に吸収されやすくなるまで分解された栄養分は、小腸の内壁から栄養素が吸収されます。その内壁には多数のひだがあり、表面は絨毛(じゅうもう)という突起で覆われ、ビロード状になっています。突起の表面を加えると、その表面積はヒトの体表面積の5倍の広さになり、栄養の消化と吸収を効率的に行なっています。こうして栄養素が吸収された食べ物のかすは大腸へ入り、さらに水分が吸収され、最後に便となります。消化は、胃と小腸でそれぞれ約2~4時間、大腸で約15時間かかり、合わせて約1日。消化されにくい食べ物では2日かかることもあります。

食べ物が辿る約1日間の消化の道のり

食べ物
口・・・歯で噛み砕かれ、唾液と混ざる
胃・・・約2~4時間 一時的にためられ、胃液と消化液によって消毒・殺菌され、粥状になる
小腸・・・約2~4時間 十二指腸の部分で体に吸収されやすい形になり、空腸、回腸の部分で栄養素が吸収される。空腸の繊毛は発達しており、食べ物の栄養素の多くを吸収。吸収しきれなかった分を回腸が吸収する。
大腸・・・約15時間 時間をかけて、少しずつ水分が吸収され、便ができていく。

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気になる中身を少しだけご紹介!耳はどんなふうに働いて音を感じるの?

空気の振動を電気信号に変換させ聴覚を生む

いくつもの器官を通って脳に辿り着く

耳の最初の役目は、音を集めることで、そのはたらきをしているのは外側に張り出している「耳介」です。耳介は、音を集めるアンテナで形がぼこぼこしているのは、音を正確に聞き取るためだといわれています。音の正体は音波という空気の振動です。耳介で集められた音波は、外耳道を通り、その先にある「鼓膜」にぶつかると、今度は鼓膜を振動させます。振動は、鼓膜の先にある「耳小骨」というヒトの体のなかで最も小さい骨に伝わります。耳小骨の先には、渦巻き状の「蝸牛」があり、振動が伝わると、なかにあるリンパ液が振動し、蝸牛のなかにある有毛細胞をふるわせます。この有毛細胞はピアノの鍵盤のように音程順に並んでいて、感知した振動の内容を電気信号に変換します。それが神経を通って大脳に伝わり、音として認識されるのです。

耳が遠くなるのは、有毛細胞の衰えが原因

年を取っていくと、耳から入った音が脳に辿り着くまでの間に、さまざまな問題が発生するようになります。なかでも耳が遠くなる最大の原因は、蝸牛にある有毛細胞の衰えです。有毛細胞は蝸牛の入口に近いほど高い音、奥に行くほど低い音に反応するしくみになっていますが、どんな音も同じように入口から入ってくるので高い音を担当する細胞ほどダメージを受けやすくなります。そのためヒトは、年を重ねるごとに高い音から聞こえにくくなっていきます。

音波が聴覚に変わるしくみ

①音波が鼓膜に届き、鼓膜が振動する
②耳小骨が鼓膜の振動の力を増幅する
③ふるえが蝸牛のなかを巡り、電気信号に変わる
④電気信号が内耳神経を通って脳に伝わる

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