[トレンド情報局]湯上がりの「一杯」進化 26日は「風呂の日」 牛乳提案の場面拡大

26日は「風呂の日」。銭湯やサウナブームが過熱する中、定番の風呂上がり牛乳のスタイルが多彩に進化している。温泉と地元産の牛乳を組み合わせた「牛乳焼酎」や、牛の放牧風景を眺めながら楽しめるサウナが登場。風呂上がりの一杯の楽しみ方が広がっている。

熊本・牛乳焼酎 乳製品と好相性

熊本県の人吉・球磨地域特産の「球磨焼酎」を手がける大和一酒造元(人吉市)は、酒蔵内に湧き出る温泉と、地元産の牛乳、米で「牛乳焼酎 牧場の夢」を造る。吟醸酒のようなフルーティーでさっぱりとした風味とほのかな甘味が楽しめ、ロックやソーダ割りは風呂上がりの一杯にもぴったりだ。

年間約1万本(一升瓶換算)を売り上げる看板商品の一つで、度数の異なる3種類をそろえ、幅広い層から人気を集める。同社の下田文仁代表は「乳製品との相性が良いので、チーズや、生クリームを使ったショートケーキと合わせるのもお薦め」と笑顔で話す。

地元産の牛乳を使って仕込んだ「牛乳焼酎 牧場の夢」。フルーティーな風味が楽しめる(熊本県人吉市で) 開発のきっかけは、酪農が盛んな阿蘇地域の牛乳配達員の「焼酎を牛乳で割るなら大和一酒造元の焼酎が一番」の声だったという。地元産の牛乳を使って仕込む「牛乳焼酎」は、そのおいしさや珍しさが評判を呼び、香港や台湾にも進出している。

西日本一の酪農県、熊本をアピールしようと牛乳を使った第2弾の新商品も開発中だ。

北海道・ミルクサウナ 牧場で整う体験

ゆっくりと放牧場の風景を眺めながらサウナを楽しむ新体験を提案するのは、北海道上士幌町で乳牛110頭を飼養する十勝しんむら牧場の「ミルクサウナ」だ。牧場の新たな魅力を伝えようと、2020年に設置。十勝ならではの“整う”体験を求め、多くの人が訪れる。

サウナ後には、新鮮な放牧牛乳やソフトクリーム、食事などを楽しめるバーベキューも組み合わせられる。同牧場の新村浩隆代表は「ミルクサウナで、牧場の空気や水、景観の良さを楽しんでほしい」と話す。

牧場の風景を眺めながらゆったりできるミルクサウナ(十勝しんむら牧場提供)


ウェブメディアを運営するベストアクティの調査によると、牛乳の好きな飲み方の上位は「冷たいまま飲む」で、「サウナや風呂上がりに飲むのが習慣」との回答が目立った。サウナブームで風呂上がりの一杯にも注目が集まっており、牛乳や乳製品の商機につながりそうだ。 (斯波希)

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