相互作用の調和と混沌 “ほうおう座”の銀河のペアをダークエネルギーカメラで撮影

こちらは「ほうおう座」(鳳凰座)の方向約1億6000万光年先の銀河「NGC 454」です。NGC 454は実際には相互作用する2つの銀河の総称で、画像に向かって左側の青く見えている銀河は不規則銀河「NGC 454W」、右側の赤っぽく見えている銀河は楕円銀河「NGC 454E」と呼ばれています。

【▲ 相互作用銀河「NGC 454」。左は不規則銀河「NGC 454W」、右は楕円銀河「NGC 454E」と呼ばれている(Credit: DESI Legacy Imaging Surveys/LBNL/DOE & KPNO/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA, Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Rodriguez (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab) & M. Zamani (NSF’s NOIRLab))】

すれ違ったり衝突したりすることで互いに重力の影響を及ぼし合っている複数の銀河は相互作用銀河と呼ばれています。画像を公開した米国科学財団(NSF)の国立光学・赤外天文学研究所(NOIRLab)によると、NGC 454は相互作用の初期段階にあるものの、2つの銀河の姿はすでに大きく歪んでいます。NGC 454WとNGC 454Eは、最終的に合体して1つの銀河になると予想されているということです。

この画像はチリのセロ・トロロ汎米天文台にあるブランコ4m望遠鏡に設置された観測装置「ダークエネルギーカメラ(DECam)」の観測データ(可視光線と近赤外線のフィルターを使用)をもとに作成されました。DECamはその名が示すように暗黒エネルギー(ダークエネルギー)の研究を主な目的として開発された観測装置で、画素数は約520メガピクセル、満月約14個分の広さ(3平方度)を一度に撮影することができます。当初の目的である暗黒エネルギー研究のための観測は、2013年から2019年にかけて実施されました。

冒頭の画像はNOIRLabの“今週の画像”として2023年9月20日付で公開されています。

Source

  • Image Credit: DESI Legacy Imaging Surveys/LBNL/DOE & KPNO/CTIO/NOIRLab/NSF/AURA, Image processing: T.A. Rector (University of Alaska Anchorage/NSF’s NOIRLab), J. Miller (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab), M. Rodriguez (Gemini Observatory/NSF’s NOIRLab) & M. Zamani (NSF’s NOIRLab)
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文/sorae編集部

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